韓国政府が中小企業経営者の急速な高齢化に対応し、企業承継活性化の基盤を整備する方案を24日に発表した。中小ベンチャー企業部は同日、経済関係長官会議で「インクルージョン・アンド・アクイジション(M&A)を通じた中小企業承継促進に関する特別法」の制定を推進すると明らかにした。
経営者が60歳以上の中小企業の比率は全体の3分の1に達する。相当数の中小企業は子女不在や承継忌避などにより後継者がいないと推定される。後継者不在で持続経営が不確実な製造中小企業は5万6000社を超え、そのうち83%はソウル以外の地域に分布すると推定される。これらの企業が承継されず廃業する場合、地域経済の基盤が弱体化するおそれがある。
中小ベンチャー企業部はM&A方式の中小企業承継を支援するための法的根拠を新設する。現在、中小企業承継の概念および支援に関する法的根拠がない状況である。中小ベンチャー企業部はM&A類型の中小企業承継を定義し、経営者年齢、経営期間など支援政策の土台となる事項を総合規定する特別法の制定を推進する。
既存の中小企業振興法における家業承継の支援事項を特別法に移管・規定し、企業承継全般に対する有機的な政策体系も構築する。特別法にはM&Aおよび中小企業支援政策に専門性のある公共・民間の機関および団体を企業承継支援センター(仮称)として指定・運営できる根拠を含める。特別法の制定・施行後、中小ベンチャー企業部は支援センターを通じて、承継需要の発掘、承継戦略コンサルティング、資金・保証・教育支援などのプログラムを推進する予定だ。
中小ベンチャー企業部は信頼度の高い企業承継M&A市場を整備するための支援体制も構築する。M&A市場は情報の非対称性が大きく、中小企業の買収・売却需要情報を個別企業や投資家が把握しにくい。さらに、特定企業がM&Aを推進しているという情報が公開されると、核心人材の流出、取引関係の悪化などの懸念もある。
中小ベンチャー企業部はこうした問題を解決するための企業承継M&Aプラットフォームも構築する。企業承継目的の実需を選別し、買収・売却を希望する企業をマッチングするサービスを提供する。このプラットフォームは技術保証基金を通じて来年上半期に試験構築し、下半期にサービスを開始する計画だ。特別法に企業承継M&A仲介機関の登録制を運営する根拠も設ける。
中小ベンチャー企業部は企業承継M&Aに適した制度環境も整備する。企業がM&Aを推進するには株主総会招集通知など商法が求める一連の手続きを順守しなければならないが、株主数および企業規模が相対的に小規模な非上場中小企業のM&Aにもこうした手続基準を一律に適用することは、手続の遅延など非効率を招きうる。
このため中小ベンチャー企業部は中小企業承継を目的とするM&Aの場合、商法手続きを緩和する特例規定を特別法に導入する予定だ。あわせて、企業承継を目的としてM&Aを行う際に必要なコンサルティング、企業価値評価、デューデリジェンスなどに要する費用支援プログラムを安定的に運営できるよう、特別法に根拠を設ける。
韓聖淑(ハン・ソンスク)中小ベンチャー企業部長官は「経営者引退後も中小企業の持続経営は個別企業の次元の問題ではなく、地域経済および製造業基盤を維持するための国家的な当面課題だ」と述べ、「国会と協力して特別法の制定を推進し、立法以外にも政策を発掘・推進するため関係部処と緊密に協力する」と語った。