蔚山・麗水・大山の石油化学産業団地のうち、麗水にある企業が遅くとも今週金曜日の19日までにナフサ分解設備(NCC)削減案を含む構造調整案を政府に提出する見通しだ。政府が期限として示した年末が近づき、速度を上げている。
大山産業団地ではロッテケミカルとHD現代オイルバンク、HD現代ケミカルが先月末に構造調整案を示した。残るは蔚山である。韓国化学産業協会が独自に実施したコンサルティング結果の通り、蔚山・麗水・大山でそれぞれ製油会社を中心とする統合が進むとの見方が出ている。
17日、石油化学業界によるとLG化学とGSカルテックスは石油化学の構造調整案を巡り大詰めの交渉を進めている。両社がジョイントベンチャーを設立し、NCC設備を1基閉鎖する大枠は固まったとされる。
業界ではGSカルテックスの工場より経年の進んだLG化学の工場のうち1カ所が閉鎖されるとの見方がある。LG化学麗水第1工場(120万トン規模)は1991年に稼働を開始した。LG化学麗水第2工場は80万トン規模で2021年から商業運転を行っている。GSカルテックスのNCC設備は2021年から稼働を開始した。規模は90万トンだ。
LG化学とGSカルテックスはロッテケミカル、HD現代オイルバンク、HD現代ケミカルとは異なり、構造調整の方向性を盛り込んだ別途の資料は出さない見通しだ。両社の協議内容が秘密保持契約の対象であり、公示もできない状況にある。GSカルテックスの持ち株50%を米エネルギー企業のシェブロンが保有していることも影響している。
ただしLG化学とGSカルテックスが産業通商部に石油化学の構造再編に関する事業再編計画の承認を申請する過程で、構造調整案が策定された事実は明らかになるとみられる。その後、両社は合弁会社の持ち株と出資比率、今後削減したNCCで生産するエチレンなど基礎油分をLG化学とGSカルテックスの既存の契約者のうち誰に供給するかについて協議を進める予定だ。
麗水産団にあるもう一つのNCC企業である麗川NCCも今週中に構造調整案を提出する計画だ。麗川NCCの共同大株主であるDLケミカルとハンファソリューションは合意案を作れていないが、両社は今週中に構造調整案を用意すべきだとの共通認識を形成した。
麗川NCC第3工場は8月から稼働を停止している。DLケミカルは50万トン規模の第3工場ではなく、90万トン規模の第1・第2工場のうちいずれかを稼働停止すべきだとの立場だ。ハンファソリューションは「協議中の案件だ」として、まだ正確な立場を明らかにしていない。
残るのは蔚山である。蔚山では大韓油化が90万トン、SKジオセントリックが66万トン、S-Oilが18万トン規模のNCC設備を稼働している。
問題はS-Oilが来年に180万トン規模のシャヒンプロジェクトを開始する予定である点だ。コンサルティング結果を反映し製油会社中心で石油化学業界を再編するには、SKジオセントリックの関係会社であるSKエナジーとS-Oilを中心に削減が行われる必要があるが、S-Oilの立場は強硬だ。
S-Oilはシャヒンプロジェクトは稼働もしていない新設設備であり削減対象ではないとの立場を堅持している。結局、NCC事業のみを手がける大韓油化の代わりにSKジオセントリックがNCC設備を停止する案が有力だというのが業界の大方の見方だ。
業界では、結局コンサルティング結果に基づく製油中心、政府が業界に提示した削減案が履行されていると述べる。石油化学専門の証券会社アナリストは「政府は当初、石油化学業界に対し、麗水LG化学100万トン、麗水麗川NCC90万トン、蔚山SKジオセントリック66万トン、大山ロッテケミカル100万トンの削減を提案した」とし、「政府案通りに構造調整が進んでいる格好だ」と語った。
産業通商部は麗水と蔚山地域の企業が構造調整案を出した後に見解を示す予定だ。産業通商部関係者は「早ければ来週、遅くとも再来週に見解を明らかにする計画だ」と述べた。政府は企業活力法に基づき、企業が提出した事業再編計画を60日以内に審議・承認する。この過程で支援策も発表する予定だ。