欧州各国が冬用タイヤの分類基準など規制を強化する中、NEXEN TIREが製品性能の向上に拍車をかけている。規制に先制的に対応し、欧州市場での成長基盤を整える狙いだ。
10日にタイヤ業界によると、NEXEN TIREは欧州で販売している冬用およびオールシーズンタイヤに3PMSF(Three-Peak Mountain Snowflake)マークを付与している。3PMSF認証は国際標準化機構(ISO)の基準に基づき、公式の性能検証を通過して初めて与えられる。冬季路面での制動力や加速性能などを評価し、走行安定性を立証する指標としても活用される。
NEXEN TIREが3PMSF認証の拡大に踏み切ったのは、欧州各国がタイヤの分類基準を強化しているためだ。従来のM+S(Mud & Snow)マークが付いたタイヤについて、ドイツが2024年10月から走行を禁止し、同年11月にはスウェーデンとフィンランドも禁止して規制が強まった。M+Sはメーカーが自社の性能基準を満たせば付与される宣言的な措置だ。3PMSFマークがあって初めて販売が可能というわけだ。
現在、NEXEN TIREが市販するすべての冬用およびオールシーズンタイヤには3PMSF認証マークが付与されている。最近欧州で発売した「ウィンガードスポーツ3(WINGUARD Sport 3)」も同マークを付与しており、従来品に比べ制動力と安定性を高めたのが特徴だ。オールウェザータイヤ「エヌブルー・フォーシーズン2(N'BLUE 4Season 2)」は装着可能サイズの拡大を継続し、増加する需要に対応している。
その結果、今年のNEXEN TIREの欧州売上に占める冬用タイヤの比率は20〜30%水準を維持している。オールシーズンタイヤの比率も約20%水準まで増加した。NEXEN TIREは冬用およびオールシーズンタイヤの売上比率を高めるため、フィンランド北部イヴァロにあるUTA試験場内に専用試験センターの設立を進めている。
NEXEN TIREは製品ラインアップも継続的に拡大している。タイヤ由来の粉じんまで規制するユーロ7の施行に備え、高耐摩耗コンパウンドを開発して耐摩耗性を高めている。NEXEN TIREは環境配慮型原材料の適用技術を確保し、デジタル製品パスポートの導入も検討中だ。環境配慮型原材料の開発と適用拡大に向けた研究も拡充している。
NEXEN TIREの関係者は「今後も技術革新と柔軟な市場対応力を基盤に、持続的な成長を続けていく」と述べた。