ベトナムのケーブル工場内の銅棒。/ロイター聯合ニュース

銅価格が45年ぶりの高値に急騰し、銅を狙うケーブル窃盗が米国で横行している。電話線やインターネット線に信号を送る銅線を切断し転売する手口である。マンホールをこじ開けたりアスファルトを削って地下送電線を奪う事案も頻発しているとウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は伝えた。これは人工知能(AI)データセンターのブームで電気配線の核心素材である銅の需要が急増した影響である。

通常、銅をはじめとする原材料価格の急騰は製造業者にコスト負担として作用するが、電線業界は例外だ。納品契約時に原材料価格の変動分を製品販売価格に即時反映する「エスカレーター」条項を盛り込んでいるためである。これに加え、AIデータセンターの拡大に伴う送電網需要の爆発が銅だけでなくケーブル完成品の需要まであおり、韓国ではLS電線・タイハン電線など銅を原材料とする電線業界の業績上振れ期待が高まっている。

◇ 銅が最高値更新で…電線業界の売上も急伸

8日(現地時間)ロンドン金属取引所(LME)によると、この日銅の現物価格はトン(t)当たり1万1695ドルを記録し、過去最高値を塗り替えた。過去1年で30%近く急騰した水準である。グローバル投資銀行(IB)はこの上昇基調が当面続くとみている。シティグループとJPモルガンは来年前半の銅価格がそれぞれt当たり1万2000ドル、1万2500ドルまで上昇すると予測した。

銅価格が高止まりしているのは、爆発的な需要に比べ供給が著しく不足しているためである。世界の鉱山の老朽化で生産性が低下するなか、新規鉱山を開発して採掘に至るまで通常10年以上を要し、足元で供給を増やすのは難しい。一方、「電力を食う怪物」と呼ばれるAIデータセンターが急増し、風力・太陽光発電所や電気自動車(EV)インフラの整備が加速するなかで、銅需要は歯止めなく膨らんでいる。

銅を核心原材料として使う電線メーカーにとって、こうした価格上昇は追い風として作用する。電線の製造原価に占める銅の比率は製品群によって60%から最大90%に達する。銅価格が上がればエスカレーション条項に従い電線の販売価格も自動的に上昇し、その結果として企業の売上規模が拡大する構造だ。

電線業界の関係者は「販売単価が上昇して売上規模が大きくなると、人件費や減価償却費といった固定費が総売上に占める比重が下がる『規模の経済』の効果が発生し、営業利益率の改善にも一定の助けとなる」と説明した。電線メーカーが保有している銅の在庫資産の評価額が上昇することで生じる利益増大効果もある。

◇「需要超過で売りたくても売れない」…AI発の送電網スーパーサイクル

市場では電線業界が長期の好況局面に入ったとみている。単に電線製品の価格だけが上がっているのではなく、AI産業の爆発的な成長で送電網需要そのものが急増しているためだ。AIデータセンターは一般的なデータセンターより電力消費量が多く、大規模な送電網の拡充が不可欠である。

これに伴い、大容量の電力を損失なく遠距離送電できる超高圧直流送電(HVDC)ケーブルは品薄が続いている。とりわけ需要が急増しているHVDC海底ケーブルを生産できる企業は、韓国のLS電線をはじめ欧州のネクサンス、プリズミアン、NKTなど世界で6社前後にとどまる。売り手優位の市場が形成され、電線メーカーは収益性の高いプロジェクトを選別受注している。

証券街では、韓国の電線業界のビッグ2であるLS電線とタイハン電線の今年の売上がそれぞれ過去最大の7兆5000億ウォン、3兆5000億ウォンを超えるとみている。手元資金も増えている。LS電線の第3四半期基準の受注残は6兆2000億ウォン(個別ベース)で前年同期比1兆ウォン以上増加し、タイハン電線も3兆4175億ウォンで過去最高を更新した。

LS電線の米国子会社LSグリーンリンクによる米バージニア州の海底ケーブル工場完成予想図。/LS提供

韓国の電線メーカーはこの機会を逃さないため、攻勢的な設備投資に動いた。電線はかさが大きく重量もあるため輸送費がかさみ、現地生産拠点の確保が不可欠である。LS電線は最近、東海5工場を竣工してHVDCケーブルの生産能力を4倍に増やしたのに続き、米国バージニア州に1兆ウォン規模の海底ケーブル工場(LSグリーンリンク)を建設している。

LS電線の関係者は「韓国から欧州にケーブルを送る場合、運送費と保険料が製品価格の20%以上を占める」と述べ、「米国工場が完成すれば北米はもちろん、欧州市場を攻略する際にも物流費を抜本的に削減し、利益率を高めることができる」と語った。

タイハン電線も忠清南道唐津の海底ケーブル第1工場の竣工に続き、2027年の稼働を目標に海底第2工場の建設を進めている。この工場ではHVDC海底ケーブルと超高圧交流送電(HVAC)ケーブルを生産する予定だ。さらにベトナム生産子会社では超高圧ケーブル工場の設備を増強し、南アフリカの生産拠点の設備も高度化している。

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