重大災害処罰法でメインビズ企業の負担増61％投資萎縮

メインビズ企業（経営革新型中小企業）の過半が重大災害処罰法の施行以降、経営負担が増加したと答えたとのアンケート結果が出た。

メインビズ協会は8日、「重大災害処罰法の認識および対応実態調査」の結果を発表した。10月24日から31日までメインビズ企業369社を対象に調査を実施した。

調査の結果、法施行以降に経営上の負担が大きくなったと回答した企業は61.2%だった。零細企業・非製造業の企業ほど負担が大きいと答えた。保守的な経営と投資萎縮、司法リスクの増加などの否定的影響を理由に挙げた。

メインビズ企業の95.9%が重大災害処罰法そのものは知っていると回答したが、具体的な義務条項まで理解していると答えた企業は半数以下（47.4%）にとどまった。安全保健の専任組織と専任人員をともに備えた企業は7.6%にとどまった。

安全管理費を納品単価に反映できていないと答えた企業も74.6%に達した。法的義務を履行しなかった場合の最大の負担としては代表理事の刑事処罰（64.0%）と答えた。企業は安全保健投資に対する財政支援（66.4%）や税制優遇、オーダーメード型コンサルティング支援などが最も必要な支援だと挙げた。

メインビズ協会は、▲規模・業種・リスク度に応じたオーダーメード・差等型の規制体系導入 ▲財政・税制・専門人材などを連携したパッケージ型安全支援体系の構築 ▲経営責任者の責任と役割規定の明確化 ▲処罰中心から予防中心への転換 ▲元請・下請などサプライチェーン全般の安全性強化などを改善事項として示した。

メインビズ協会は「現行制度が大企業中心の基準を一律に適用しており、人員・予算が不足する中小企業に過度な負担だ」とし、「企業の規模と条件を考慮した合理的な制度改善が急務だ」と明らかにした。