スイスのロボット企業アニボティクスの四足歩行ロボット「アニマル」が27日、ソウル鐘路区の駐韓スイス大使館で行われたデモンストレーションで障害物をよじ登る様子。/チェ・ジヒ記者

「世界でロボット産業の勝敗を分ける場所があるとすれば、断然韓国が最上位にあるはずだ。韓国はロボット密度世界1位のイノベーション国家であり、ロボット企業としては必ず実力を証明しなければならない苛烈な激戦区である。」

スイスの四足歩行ロボット専業企業アニボティクスが韓国市場に本格的な挑戦状を叩きつけた。27日にソウル鐘路区の駐韓スイス大使館で会ったス・ヤンアニボティクスAPACセールス総括は、韓国市場をグローバルなロボット競争の戦略的要衝と定義し、こう述べた。

アニボティクスの主力ロボット「アニマル(ANYmal)」は、その名の通りどこへでも出動する。500度を超える高温と轟音、目に見えない有毒ガスが発生する製鉄所の溶鉱炉区域がアニマルの主な活動舞台だ。作業者が防護服を着ても接近しにくいこの場所をアニマルは自律走行し、サーモグラフィーカメラで配管の微細な亀裂を見つけ出す。

産業現場の痒いところに手が届く結果、世界のエネルギー・化学企業の難所の各所に200台余りのアニマルが供給された。韓国市場では半導体、鉄鋼、化学など主要産業の企業と具体的な導入協議を続けている。

ヤン総括は「韓国は大規模製造設備が集約されたグローバル製造強国だ」と述べ、「厳しさを増す安全規制と2033年に予告されている深刻な人手不足が、韓国企業に高度化した点検ロボット導入を急がせる決定的な起爆剤になっている」と語った。以下はヤン総括との一問一答。

ス・ヤン アニボティクスAPACセールス統括が27日、ChosunBizのインタビューに応じている。/チェ・ジヒ記者

—アニボティクスはどのように発足したのか

「アニボティクスのルーツは2009年からロボット歩行技術を研究してきたスイス連邦工科大学チューリヒ校のロボットシステム研究所だ。2016年にスピンオフした当時、われわれの志向点は最初から『実戦型ロボット』と明確だった。制御された実験室を出て、予測不可能な極限の産業現場でも完全に任務を遂行するロボットを作るという抱負だった。」

—その目標をどのように実現したのか

「数多くの試行錯誤の末、2019年に四足歩行ロボットとしては初めてシミュレーションベースの人工知能(AI)強化学習を実機ロボットに誤差なく適用することに成功した。現実で収集しようとすれば数年かかる膨大な歩行データを仮想空間で迅速に学習させ、これを実機に移植する方式である。当時、学界でも難題を解決した事例として注目を集めた。おかげでロボットは人がいちいちコーディングできない微細なバランス感覚を自ら習得し、滑りやすい油面や荒い礫地でも安定して歩けるようになった。」

—産業現場の需要は実際に高いのか

「反応は熱い。産業現場の顧客は徹底して『投資対効果(ROI)』を重視するが、アニマルは人件費削減、稼働停止の予防、安全確保の面で有利だとの評価を受けている。

シェルやブリティッシュ・ペトロリアム(BP)などのグローバルエネルギー企業を皮切りに、世界首位の化学企業BASF、米国のエネルギー・産業ソリューション企業GE、ドイツのエンジニアリング企業シーメンスなどが中核顧客だ。このほかにも欧州最大のステンレス鋼メーカーであるオウトクンポ、日本の電力企業J-パワーなど、多様な産業の先導企業が当社ソリューションを導入し使用中である。こうした成果を追い風に昨年5,000万ドル(約735億ウォン)規模のシリーズB投資を誘致し、現在約200人の役職員が技術高度化に専念している。」

—韓国市場を『激戦地』と表現したが

「大きく三つの理由だ。まず韓国は『イノベーション受容性』が高い。労働者1万人当たりのロボット台数が1,012台(2023年基準)で世界1位という統計が示すように、新技術導入に最も積極的だ。第二に生産設備の規模が大きい。韓国は小さな工場が点在するよりも、巨大な設備が一カ所に統合された大規模生産拠点が主を成す。こうした広大な施設を効率的に管理するにはロボットが不可欠だ。

最後の第三は人手不足だ。人口構造の変化で2033年までに数十万人規模の産業人材不足が予見されるなど状況は切迫している。これらの要素により、韓国はロボットソリューションを適用するのに最も理想的な市場である。この激戦地でロボットの価値を証明すれば、世界のどこでも通用すると見る。」

—主にどの産業分野を攻略しているのか

「環境が苛酷、または危険区域が多く人の接近が難しい産業が最優先だ。高温や有毒ガスのリスクがある石油精製・化学、鉄鋼、セメント産業などが代表的だ。特に韓国では半導体産業などに注目している。半導体工場のサブファブは配管と装置が複雑に入り組み、ガス漏れリスクが常在しているためロボット需要が非常に高い。発電所や変電所といったユーティリティ産業も主要ターゲットだ。」

—四足歩行ロボット市場にはボストン・ダイナミクスのような競合があるが、アニマルならではの強みは

「競合が多様な分野を包括する『汎用プラットフォーム』だとすれば、当社は徹底して『産業用点検』に特化した『エンド・ツー・エンドソリューション(ハードウェアからデータ分析まで全工程を統合支援)』だ。別途装着なしにサーモグラフィーカメラ、ガス検知器、マイクをすべて内蔵し、防水・防塵の最高等級(IP67)を備えて悪天候でもびくともしない。顧客はロボットという機械ではなく、ロボットが収集する『データ』と『安全』を購入するのだ。」

—低価格攻勢をかける中国企業と比べるとどうか

「中国企業は主にハードウェア価格に注力するが、産業現場が求めるのは統合ソリューションだ。当社はロボットが収集したデータを分析して設備異常を判断し、これを顧客企業の既存管理システムと即時連携するソフトウェア能力を備えた。データセキュリティとシステム統合力の面で志向が異なる。」

—海外ロボットを導入する韓国企業は故障時の保守を懸念する

「よく理解している。工場のダウンタイム(Downtime)は企業に致命的だ。競合は修理のために本社へ製品を送らねばならず時間がかかるが、当社は韓国のパートナー企業などを通じ、現地エンジニアが即時に出動する。問題の80%以上を国内エンジニアが部品交換などで現場で直ちに解決できる。」

—実際にアニマルが現場で安全事故を予防した例はあるか

「オマーンの陸上油井施設の事例がある。猛毒ガスである硫化水素(H2S)漏えいリスクがある場所だが、実際に当社のエンジニアが現場訪問中にガス警報が鳴る緊迫した状況が発生した。作業者が緊急退避する状況でも、ロボットは現場に進入してガス漏えいの正確な位置を突き止めた。このほかにも超音波センサーにより人の耳には聞こえない微細な圧縮空気の漏れを捉えた事例も多かった。」

—ロボットの機能もアップグレードされているのか

「来年、防爆認証を取得した新モデル『アニマルX』を発売する。爆発の危険がある区域でも安全に運用でき、石油精製・化学プラント市場のゲームチェンジャーになるだろう。ロボットを通じて実質的な運用価値を創出することに注力しているだけに、来年は韓国の主要企業と協力し、それを立証する具体的な導入事例を作ることが目標だ。」

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