高麗亜鉛が今年、アンチモンやゲルマニウムなど「戦略鉱物」を米国に供給することで、グローバルな「資源安保企業」として台頭している。中国が事実上独占している「戦略鉱物」市場でグローバル供給網を拡大し、その空白を突いている。

1日、高麗亜鉛によると、同社は6月から防衛産業の必須素材である「アンチモン」を米国に輸出し始めた。今年の対米輸出目標は100トン(t)、来年の目標は240tである。

戦略金属「アンチモン」。/高麗亜鉛提供

アンチモンは弾薬や防衛電子装備、防護合金など複数の軍需・防衛産業分野で必須の素材だ。とりわけ難燃性に優れ、弾薬、砲弾、銃弾などの強度・硬度を高める用途に使われ、射撃の精度を向上させる上で不可欠な役割を果たす。

韓国は「国家資源安保特別法」でアンチモンを核心鉱物に分類している。米国は「Energy Act of 2020(エネルギー法2020)」と「Strategic and Critical Materials Stock Piling Act(国家防衛備蓄法)」でアンチモンを戦略鉱物に指定している。

アンチモンは事実上、中国が独占している市場である。中国は昨年8月に輸出許可制を導入し、同年12月には米国向け輸出の統制を開始した。米国地質調査所によると、2023年の中国の世界アンチモン鉱山生産シェアは58.8%、2020〜2023年における米国の中国産アンチモン依存度は76%水準である。

中国の輸出統制で、アンチモンの価格は急騰した。鉱物業界によると、昨年1月に1t当たり1万3300ドルだった価格が、今年6月時点で6万ドルまで上昇したという。9月時点でも5万1000ドルという高値で取引されている。

高麗亜鉛は亜鉛と鉛を生産する過程で発生する製錬副産物からアンチモンを抽出する。昨年時点の年間生産量は3604tで、これまで欧州、日本を中心に輸出してきた。高麗亜鉛は蔚山に位置する温山製錬所でアンチモンをメタル(固体)形態で生産し、輸出する。

高麗亜鉛関係者は「中国がアンチモンの輸出を統制し始め、グローバル供給網が不安定になった」と述べ、「高麗亜鉛は国内で唯一アンチモンを生産する拠点であり、米国、欧州、日本などに輸出してグローバル供給網の安定化に寄与している」と語った。

高麗亜鉛「温山製錬所」全景。/高麗亜鉛提供

高麗亜鉛は2028年から、もう一つの戦略鉱物である「ゲルマニウム」も米国に輸出する計画だ。8月に米国の防衛産業最大手「ロッキード・マーティン」とゲルマニウム供給に関する覚書(MOU)を締結した。

ゲルマニウムもアンチモンと同様に米政府が指定した戦略鉱物だ。ゲルマニウムは熱・電気伝導率が高く、高性能・特殊半導体素子や半導体工程用特殊ガス、発光ダイオード(LED)、光ファイバーケーブル、超伝導体などに使われる必須金属である。また赤外線透過率に優れ、防衛産業では暗視装置、サーマルカメラ、赤外線検知器などの素材として用いられる。

ゲルマニウムも中国の対米輸出禁止措置により、米国にとって供給網の確保が喫緊の課題となっている。ゲルマニウムの価格は昨年1月に1㎏当たり1000ドルだったが、今年9月時点で5000ドルに上昇した。

高麗亜鉛は温山製錬所に1400億ウォンを投資し、年12t規模の生産体制を準備中である。2028年上半期にゲルマニウムメタル10tの生産を目標に工場を稼働する計画だ。

チェ・ユンボム高麗亜鉛会長は10月に開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)CEO円卓会議に出席し、「高麗亜鉛は戦略鉱物の問題を解決する代案を持っている」と述べ、「安定的な戦略鉱物供給網を構築し、韓米両国の経済安保の成功モデルを作っていく」と語った。

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