韓国の造船各社が米国で造船人材育成事業を拡大する。MASGA(米国造船業を再び偉大に)プロジェクトを推進する過程で、米国が「造船所インフラ拡充」とともに「造船専門人材の育成」を最も望んでいることを確認したためだ。各社は米国の要請に応える投資を進めつつ、事業機会を模索する予定である。
28日、造船業界によると、サムスン重工業など韓国の主要造船各社は最近、米国商務省にMASGA(米国造船業を再び偉大に)プロジェクトに関する事業提案書を提出した。
提案書は各社の強みや米国政府に求める支援などを盛り込んだ意見書の形式だとされる。これは最近、HD現代重工業・ハンファオーシャン・サムスン重工業・HJ重工業の4社を訪問した米国商務省のアレックス・クルーツ次官補代理の要請に基づくものだ。意見交換と需要の確認を目的とした手続きである。
造船業界によれば、米国が韓国の造船会社に最も望んでいるのは造船所インフラ投資と造船業の専門人材育成だという。自国の造船所で建造される船舶が1年に10隻にとどまるほど、米国は船舶建造能力が不足している状況である。
ある業界関係者は「米国は現在、船舶建造能力が全くないため、人材育成に重点を置いている」と述べ、「資材調達も難しいほどで、全般的なインフラ構築も望んでいる状況だ」と語った。その中でも比較的速く進展し得るのが熟練人材の育成だというのが関係者の見方である。
企業も米国の要請に応える計画を立てている。2024年7月から米国ミシガン大学と協約を結び造船業の人材を育成しているHD現代重工業は、2026年上半期に現地の造船人材トレーニングセンターを設立し、現地人のエンジニアリング能力を強化する計画である。
8月に米国の軍艦専門MRO造船会社であるビーガン・マリンと戦略的パートナーシップを締結したサムスン重工業も、リーガン、ワシントン、カリフォルニア、バージニアなどビーガン・マリンが所在する4州を含む米国全域のいずれかの地域に、造船業の熟練工育成トレーニングセンターを設けることを検討している。
昨年末に買収したフィリー造船所に韓国人員70〜80人を派遣し、工程・運営ノウハウを伝授しているハンファオーシャンは、フィリー造船所の労働者の韓国での循環勤務を推進している。米国が望むフィリー造船所への設備投資も進行中である。50億ドル(約7兆3700億ウォン)を投じて設備を近代化し、軍艦建造が可能となるよう設備の高度化も進めている。
ある業界関係者は「韓国の造船業界の生産職勤務者約7万人のうち60〜70%は外国人であり、こうした人員を呼び寄せて教育するのに時間と費用が非常にかかった」と述べ、「米国も同じプロセスを経るほかない」と語った。
産業通商部の関係者は「スピードは速くないが、国内人員を現地に派遣して現場人員を教育する方法を含め、さまざまに検討している」と述べた。