ハンファグループが1兆ウォン規模の資金を手に米国事業の拡大に乗り出す中、ハンファシステムとハンファオーシャンを筆頭に海洋分野を中心とした投資が行われるとの見方が出ている。韓米造船業協力事業である「マスガ（MASGA・米国造船業を再び偉大に）」プロジェクトを機に、前後方産業の隅々に食い込む計画だ。現地造船所などを対象にした大型のM&A（合併・買収）の可能性も取り沙汰されている。
25日、ハンファグループによると、ハンファシステムとハンファオーシャン、ハンファソリューションは24日に公示を通じてそれぞれの米国子会社の持ち分を追加取得すると明らかにした。ハンファオーシャンとハンファシステムがそれぞれ5162億ウォン、5020億ウォンを、ハンファソリューションが2853億ウォンを投じた。
子会社はこのように確保した現金を新設法人のハンファディフェンスアンドエナジーに出資した。ハンファディフェンスアンドエナジーに集まった資金は、後にハンファフューチャープルーフを通じて複数分野に投資される予定だ。
ハンファフューチャープルーフはハンファエアロスペースとハンファソリューションが2023年に米国で共同設立した企業で、海外企業のM&Aおよび新規事業投資を担っている。
今回投入された資金のうち、ハンファフューチャープルーフの手元に入る資金は1兆ウォン規模と推定される。ハンファエアロスペースとハンファソリューションは以前からハンファフューチャープルーフを通じて米国に投資していたが、ハンファシステムとハンファオーシャンは今回新たに投資家リストに名を連ねることになった。
ハンファグループはこの資金でまず海洋部門への投資を増やす見通しだ。「マスガ（MASGA・米国造船業を再び偉大に）」プロジェクトを機に各種関連産業に進出する形である。
ハンファシステムとハンファオーシャンはマスガの中核拠点であるフィリー造船所の持ち分を分け合っている点で、投資の中心に立っている。ハンファシステムはこの機会に米国の海運事業進出を打診する計画だ。ハンファシステムは商船および艦艇に搭載できる各種の輸送・セキュリティーソリューションを保有しており、これを米国で建造された船舶に適用することを目標としている。
ハンファシステム関係者は「ハンファフューチャープルーフの既存の投資領域はバッテリーエネルギー貯蔵装置（BESS）と液化天然ガス（LNG）インフラ、環境配慮型エネルギー、海運などだったが、ハンファシステムとハンファオーシャンの参加で海運分野の投資比重が高まる見通しだ」と語った。
商船および特殊船はもちろん、エネルギー発電事業まで保有しているハンファオーシャンの場合、ハンファフューチャープルーフのすべての投資方向と直接的につながっている。ハンファグループ関係者は「ハンファフューチャープルーフの事業と最も大きなシナジー効果を見込めるのがまさにハンファオーシャンだ」と述べ、「フィリー造船所の船舶建造をはじめ、多様な部分で（ハンファオーシャンと）協業することになる」と語った。
このほか、ハンファエアロスペースの米国防衛市場参入に向けてもグループの力量が投入される見通しだ。ハンファエアロスペースはまだ米国での受注実績がない。これにより、ハンファフューチャープルーフの事業領域に防衛産業を追加し、K-9自走砲やチョンム多連装ロケットなどハンファエアロスペースの主力製品の米国進出を打診するというのがハンファグループの計画だ。
ハンファフューチャープルーフが大規模M&Aに乗り出すとの見方もある。最優先で取り沙汰される買収対象は造船所だ。ハンファグループは2024年12月に1億ドル（約1500億ウォン）でフィリー造船所を買収したが、その後も現地造船所を追加取得する意向がある点を継続的に言及してきた。ハンファフューチャープルーフが米国ニューヨークにある本社で勤務するM&A専門家を採用している点も、こうした観測に力を与える部分だ。
ハンファグループ関係者は「各系列社は自らの米国市場進出に加え、持ち分を保有しているハンファフューチャープルーフの収益まで分け合うことになる」と述べ、「大枠で米国市場への進出および投資が全方位で行われる」と語った。