カカオの内部で中小企業・自営業者事業を担当する組織が拡大している。事業領域の拡大が第一の目的だが、中小企業と自営業者の成長に重点を置く現政権に歩調を合わせる動きだという分析も出ている。
20日に中小企業界とIT業界などによると、カカオはホン・ミンテク最高製品責任者(CPO)傘下の「SME」専任組織を年初から拡大している。SMEは「Small and Medium-sized Enterprises」の略で中小企業などを意味する。最近、広告・マーケティング営業経験のある人材を補充する手続きも進めているとされる。
当該組織は中小企業・自営業者の広告主を発掘して管理し、直接営業を行う。広告主と協力会社を対象に販売拡大プログラムを企画・提案するだけでなく、業種別のカスタマイズ販売戦略を開発する。広告成果データも分析し、サービスを高度化する役割も担う。
最も具体化した事業は12月8日に正式発売される「カカオビズメンバーシップ」である。カカオビジネスサービスを利用する自営業者についてカカオが顧客・事業管理を担い、マーケティング・食材供給・配達注文管理などで会社と協力してメンバーシップサービスを提供する構造だ。
自営業者が月額購読料1万4900ウォンを支払いメンバーシップに加入すれば、マーケティング・食材供給・配達注文管理などの提携サービスを、個別業者と契約した場合より安い費用で利用できる。
この事業モデルはカカオで過去から議論されてきた。自営業者を対象に事業を展開するスタートアップは、カカオに提携案を盛り込んだ資料を渡したり、直接会って協力モデルを提案した。だがカカオは事業を推進しなかった。大きな収益を出しにくく、協力会社で問題が起きればリスク負担をカカオが抱えざるを得ないためだ。
SME組織の拡大が自営業者向けB2B(企業間取引)事業の強化を目的とするが、一部では中小企業と自営業者の成長を支援しようとする政府方針に歩調を合わせた動きだという解釈も出ている。
カカオは過去、文在寅(ムン・ジェイン)政権時代に「最大の受益者」と評価された。2019年に共に民主黨を中心にいわゆる「タダ禁止法」が推進され、カカオの子会社であるカカオモビリティーが反射利益を得た。タダは運転手付きで車両を貸し出す方式でタクシーのように運行していたサービスだった。
カカオは銀行の持ち分も持っている。民主党は2018年9月、インターネット銀行に限って銀産分離(産業資本の銀行持ち株保有制限)規制を緩和する内容のインターネット専門銀行特例法を通過させた。
これを根拠にカカオはカカオバンクの筆頭株主に上がった。カカオが現政権の中小企業・自営業者支援方針に戦略的に事業の方向性を調整しているという分析が出る理由だ。
業界のある関係者は「自営業者関連事業は儲からないという認識があって長い議論にもかかわらず事業を進めなかった」と述べ、「事業の途中で問題が起きればカカオが負担を負わざるを得ない構造だ」と語った。
続けて「このため、内部では政界を意識して関連組織を拡大し事業を推進しているという話が出ているのだ」と付け加えた。
カカオ側は「個別部署に関する事項は非公開だ」と明らかにした。