韓国政府がHMMなど韓国の海運会社の本社を釜山に移すための移転協議体を来月中に発足し、関連準備を終えたことが確認された。移転協議体は李在明大統領の民間海運企業の釜山移転公約を推進するための組織で、海洋水産部が中心となって立ち上げる。ただし、当初の構想とは異なり民間海運企業は協議体から外れた。
18日に海運業界によると、海洋水産部は大型海運社移転協議体(仮称)の構成案を最近確定した。協議体には海洋水産部と韓国海運協会、釜山商工会議所などの機関と専門家が参加する。初会合は海洋水産部次官および関係者の日程が来年度予算案審査などで不透明な状況のため、予算案審査の法定処理期限である来月2日以降に開く予定だ。
海洋水産部は協議体を通じて民間海運社が釜山へ本社を移転できるよう誘引するためのインセンティブ策を策定する方針だ。先に釜山市レベルで構成した「海運企業移転推進委員会」で、税制・財政支援や規制特例の必要性が議論されており、こうした支援策を具体化できる見通しだ。
海洋水産部は多様なインセンティブによって海運社が自発的に本社を移すようにする方針だ。さらに、大統領の公約事項だったHMM本社に加え、エイチライン海運とSK海運の本社も釜山へ移せるようにする目標も持つ。多くの海運社の本社を釜山に誘致し、大統領の公約である「海洋首都釜山」造成を完遂するということだ。
ただし、「政府・自治体・地域社会・海運業者などが参加する協議体を構成して運営する計画だ」というチョン・ジェス海洋水産部長官の従来の発言とは異なり、民間企業は協議体の構成から除外された。これはHMMをはじめとする民間企業で移転への反発が大きい状況であるため、これを考慮して除外したとみられる。海洋水産部が協議体構成前に各機関に関連意思を確認したものの、海運社は特段の意見を伝えなかったとされる。
業界では海洋水産部の協議体構成が妥当ではないとの反応が出ている。海運社の本社移転に政策的必要性があるなら、政府が民間と意思疎通してこれに対する共感を積み上げるのが先だが、移転を前提に協議体を構成するのは順序に合わず、企業の立場でも参加が負担にならざるを得ないということだ。
ある業界関係者は「船会社はソウルを拠点に貨物輸送営業をしており、移転は容易ではない」とし、「本社移転は考えもしていなかった船会社に、突然移転を前提にインセンティブを議論しようと言えば、参加する企業がどこにあるのか」と語った。
海洋水産部は「移転支援協議体は海運企業の移転を誘導するためのインセンティブなどを関係機関と事前に協議・発掘するための機構であり、移転を決定した海運企業を前提としたものではない」とし、「協議体構成の初期から協会を構成員として検討してきた以上、協会を通じて民間船社の意見を十分に収れんし、有利な経営環境を造成していく」と述べた。