精製マージンという精油会社の中核収益指標が連日上昇しており、韓国の精油4社(SKイノベーション、GSカルテックス、HDヒュンダイオイルバンク、S-Oil)は第4四半期も好調な業績を続ける見通しだ。精製マージンは石油製品の販売価格から原油価格などの生産コストを差し引いた値である。足元では原油価格が下落する一方、世界の精製設備数が減少しており、精製マージンは連日上昇している。
12日、精油業界によると今月初めのシンガポール複合精製マージンは1バレル当たり16ドル水準で、2年2カ月ぶりの高値を記録した。シンガポール複合精製マージンは、アジア地域の精油会社が原油を精製してガソリン、軽油、ナフサ、ジェット燃料などの石油製品を販売して得た平均利益を意味する。
通常、精油各社の損益分岐点となる精製マージンは1バレル当たり4〜5ドルとされる。これより高ければ黒字、低ければ赤字が発生するという意味だ。ただし精油会社ごとに原油の調達先や製品ポートフォリオが異なるため、シンガポール精製マージンと各社の精製マージンが必ずしも一致するわけではない。
最近は原油価格が下落し、石油製品の生産コストは低下傾向だ。ドバイ原油先物価格は今年1月の平均が80ドル水準で推移したが、今月は65ドル程度まで下がった。ブレント原油とWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエイト)の期近もそれぞれ63ドル、59ドル水準で価格が形成されている。
原油生産量が増える予定であり、先行き価格はさらに下落する可能性が大きい。主要産油国で構成する協議体OPEC+は来月から原油生産量を日量13万7000バレル増産することを決めた。国際エネルギー機関(IEA)は来年、原油の供給が需要を日量最大400万バレル上回るとの見通しも示した。
原油の供給過剰が続くなか、世界最大の石油会社であるサウジアラムコは12月のアジア向け原油公式販売価格(OSP)を従来比で1バレル当たり1.2ドル引き下げ、1ドルに決定した。OSPは韓国の精油会社に原油を販売する際に適用するプレミアムである。OSPが下がれば、韓国の精油会社もより低い価格で原油を調達できる。
欧州では今年3月からシェル(Shell)、BPなどが精油設備を閉鎖し、生産能力が日量40万バレルずつ減少した。米国でも年初からリオンデルバセル、バレロなどが順次、精製設備を縮小している。来年第1四半期までに日量54万7000バレル規模の精製設備を閉鎖する予定だ。これは欧州、米国の全設備のそれぞれ3%に相当する。海外の精油会社は景気低迷による石油製品需要の減少、カーボンニュートラル方針の強化などを背景に精製設備を減らす傾向にある。
精製マージンが改善し、韓国の精油4社は第3四半期に続き第4四半期も好業績を上げるとの見方が出ている。金融情報企業FnGuideによると、SKイノベーションの第4四半期の予想営業利益は3087億ウォン、S-Oilは2915億ウォンとされた。非上場のHDヒュンダイオイルバンク、GSカルテックスも類似の事業構造を持ち、黒字を維持する見通しだ。
足元ではウォン・ドル相場が大きく上昇し、原価負担が増えた点は業績改善のやや抑制要因だ。だが精油各社は為替変動に伴う損失を抑えるために為替ヘッジ(Hedge・リスク回避)を積極的に活用しているうえ、製品価格に反映しやすい状況でもあり、負担は限定的だと業界関係者は判断している。
一方で精油会社の体質が次第に改善するなか、一部では石油化学の再編策として精油会社と石油化学会社を垂直統合する案も取り沙汰されている。精油会社が石油化学設備を買収・運営し、原油精製の副産物を石油化学原料として活用する方式だ。
ある精油業界関係者は「精油と石油化学設備間の連係システムを構築するには莫大な初期費用が必要だ」と述べ、「まだ石油化学の再編に関して具体的に議論されていることはない」と語った。