ロッテエナジーマテリアルズが2025年11月10日に、今年第3四半期の売上高1437億ウォン、営業損失343億ウォンを計上したと発表した。米国の電気自動車補助金政策の廃止などの影響で北米の電気自動車市場が急速に減速し、主要顧客の電気自動車向け販売量が減少したことで稼働率の回復が遅れ、前四半期比で売上高が減少した。
ただし同社は、第4四半期にはグローバルビッグテック企業の人工知能(AI)データセンター投資の増加に伴い回路箔製品の需要が増加し、国内の電池顧客がエネルギー貯蔵システム(ESS)事業を拡大することで、北米地域で電池箔需要も成長すると見込んでいる。
これを受けロッテエナジーマテリアルズは、回路箔事業を基盤に電気自動車キャズム(Chasm・一時的な需要停滞)を克服する計画だ。ロッテエナジーマテリアルズ関係者は「AI向け高付加価値回路箔は、グローバルAIデータセンター市場の成長に伴い関連する素材、部品、装置などの産業も大幅な成長が見込まれる」と述べ、「国内外の多数の顧客は当社にAI向け回路箔の増設を要請しており、2026年度の顧客の注文量は現在の生産能力を超過している状況だ」と語った。
ロッテエナジーマテリアルズは、イクサン工場の電池箔ラインをAI向け回路箔ラインに転換し、AI向け回路箔の生産能力を2026年には従来比1.7倍、2028年には5.7倍まで拡大する計画だ。イクサン工場は国内唯一の回路箔工場であり、AIデータセンターの超高速データ処理のために銅箔の信号伝送損失が低い物性を満たす回路箔を生産する。
またロッテエナジーマテリアルズは、国内の電池顧客による北米ESS市場の拡大に合わせ、ESS用途の銅箔における技術的差別化を基に既存顧客との協業を強化し、新規顧客の積極的な開拓を進める計画だ。
キムヨンソプ・ロッテエナジーマテリアルズ代表理事は「AI向け高付加価値回路箔、ESS向け電池箔など製品ポートフォリオの転換を通じて市場の不確実性に迅速に対応し、将来の成長機会を素早く先取りしていく」と述べた。