韓国取引所が11月2日に低株価純資産倍率(PBR)企業名簿を初公開する予定であるなか、この制度が企業のバリューアップ公示への参加を促し、株主還元を拡大する役割を果たすとの分析が出ている。
SK証券は14日、「低PBR企業公表制度カウントダウン開始」リポートを通じ、低PBR企業公表制度の施行に伴う影響と期待効果について分析した。
低PBR企業公表制度は3月に発表された資本市場体質改善方策の一環である。グローバル産業分類基準(GICS)を基盤に、業種内の相対PBRが直近3年(6半期)累積で下位圏にある企業の名簿を韓国取引所・証券会社HTS・MTSなどに公開する制度だ。公表の対象はKOSPI下位25%、KOSDAQ下位10%に該当する企業である。
名簿選定時の対象か否かは、外部監査人の監査・レビューを受けた会計数値を基準に毎半期・事業報告書の結果を活用する。時価総額は公表日7取引日前を基準日として設定し、直近20取引日の平均値を算定する。11月2日に初公表が予定されており、算定基準日は10月22日、時価総額平均の算定区間はおおむね9月21日からとなる見通しだ。
今回の制度には特例条項も含まれた。公表日7営業日前までにPBR改善計画を含む企業価値向上計画を公示する企業は、最初の1年間、低PBR企業の公表対象から免除される。ただし、市場・業種別で累積6年(12半期)連続の下位圏に該当する場合はこの特例を適用できない。
SK証券は今回の制度施行による期待効果が明確だと評価した。ナ・スンドゥSK証券研究員は「2024年5月からバリューアップ公示制度が施行されたが、自主参加が前提のためKOSDAQ企業の参加は低調だった」とし、「10月22日の公表基準日前に企業価値向上計画を公示すれば公表対象から免除されるだけに、多数企業のバリューアップ公示参加が見込まれる」と説明した。
同研究員は続けて、資本の効率化作業と株主還元政策の推進も本格化すると見通した。PBRは株価と資本総計の関係の中で算定されるだけに、株価予測が難しい状況では企業が分母に当たる資本(純資産)の質を改善することに焦点を当てる可能性が大きいとの分析である。
自社株の取得・償却増加、配当拡大などの措置も続くと予想される。一方でPBRを低下させる要因となる有償増資や転換社債(CB)発行などは限定的になる見通しだ。
同研究員は「投資家とのコミュニケーションが限定的だった企業は、事前に準備しない場合、公表制度施行後に直接的なコスト増につながる可能性が大きい点を念頭に置くべきだ」と述べた。