この記事は2026年9月7日16時11分にChosunBiz MoneyMove(MM)サイトに掲載された。
肥満治療薬「マンジャロ」でグローバル時価総額1位の製薬企業に浮上したイーライ・リリーが次の成長領域の候補にK美容医療を挙げた。皮膚科学分野へパイプラインを拡張する戦略の一環で、最近いわゆる「マンジャロフェイス」という言葉まで出るなか、「Kスキンブースター」への投資を積極的に検討したとみられる。マンジャロフェイスとは、マンジャロ使用で体重が急減した際に現れる外見の変化を否定的に表現する新語である。
7日、投資銀行(IB)業界によると、イーライ・リリーは今年上半期から最近までLilly Venturesを前面に立て、韓国の主要な美容医療企業に相次いで接触した。スキンブースターを製造する上場企業、美容医療の新規技術を開発するスタートアップ、加えてスキンブースター施術を行う皮膚科まで区別なく接触したとされる。
スキンブースターは水分補給と弾力改善のために皮膚へ注射する製品で、「リジュラン」「ジュベルック」などが代表的だ。イーライ・リリーは5月、大韓レーザー皮膚毛髪学会の期間中にLilly Ventures主導で医療機器専門企業である ヒューゼル(145020), CLASSYS(214150), メディトックス(086900) などとも会ったとされる。
Lilly Venturesはイーライ・リリーのコーポレート・ベンチャーキャピタル(VC)だ。イーライ・リリーの戦略的拡張の先兵とされる。運用規模は2億ドル水準と大きくはないが、Lilly Venturesが検討・投資すれば、その後にグローバル事業開発(BD)部門がライセンスイン(技術導入)あるいは買収まで進めることがあるとみられる。
実際、韓国内の一部美容医療企業では、Lilly Venturesの初期検討後にLilly Venturesとイーライ・リリーのグローバル幹部が連れ立って訪れ、主力製品の皮膚再生作用の原理はもちろん、研究開発の現況、さらに将来の主要物質の大規模生産可能性などを巡って綿密な検討を進めたとされる。
イーライ・リリーがマンジャロの効用を広げる手段としてK美容医療を選んだとの評価が出ている。脳の食欲シグナルを抑える方式で全身脂肪を速やかに減らす効果が顔にも同時に現れ、体重は減ったが顔はむしろ老けて見えるとの不満が続いているためだ。
とりわけ減量後に現れる顔のボリューム減少を巡りマンジャロフェイスという言葉まで出るなか、イーライ・リリー内部でも顔面の弾力補完の必要性が高まったとされる。実際、イーライ・リリーは脱毛・スキンケアなど消費者向け皮膚科学領域への事業拡張を進めているとみられる。
韓国はスキンブースター市場を事実上切り開いた場所として挙げられる。代表例がPharma Researchのリジュランだ。サケのデオキシリボ核酸(DNA)から抽出したポリヌクレオチド(PN)を原料に2014年に披露したリジュランは、水分補給・弾力を改善するスキンブースターのカテゴリーを作った「元祖」と評価される。
このほか、高分子ポリ乳酸(PLA)とヒアルロン酸を結合してコラーゲン生成を助けるVAIMのジュベルック、L&C BIOが人体無細胞真皮(hADM)を活用して投入した第5世代スキンブースター「リトゥオ」などが相次いで市場に定着し、「注射型K美容医療」施術のグローバル認知度も大きく高まった。
美容医療の技術・製品が集積し、同時に変化に慣れた韓国特有の市場のダイナミズムも、イーライ・リリーがK美容医療を探した背景として挙げられる。マンジャロに連動したスキンブースター製品の市場性と消費者受容度を実地で検証できる「テストベッド」として、韓国ほどの場所は稀だからだ。
医療界のある関係者は「マンジャロフェイスを解決する目的からさらに進んで、医科学的観点での新技術確保が核心とみられる」と述べ、「医薬品、医療機器の側面で差別化できる技術、皮膚科学領域で拡張性のあるアセットをすべて開いて探していると理解している」と語った。
ただし一部では、イーライ・リリーが韓国の美容医療企業を一気に買収するよりも、共同開発や少数持分投資の形で進む可能性が大きいとの見方を示している。臨床を経て治療薬へ拡張したいイーライ・リリーの立場では、韓国の美容医療企業のスキンブースターは素材レベルにとどまるためだ。
実際、韓国内の主要スキンブースター製品はすべて医薬品ではなく医療機器に分類される。疾病の治療・予防に使用される化学・生物学的物質ではなく、物理・化学的に人体に作用する機器類という意味だ。正確には、組織再生とボリューム回復を誘導する組織修復用バイオマテリアルの水準にとどまっている。
イーライ・リリーは皮膚に水分を直接供給する方式で表面的な現象だけを抑えるにとどまらず、科学的根拠を備え、マンジャロと併用して販売できる皮膚弾力改善の治療薬を望んでいるとされる。最近はK美容医療の投資検討範囲を大学研究所の水準にまで広げたとされる。
IB業界のある関係者は「韓国のK美容医療への投資検討は、イーライ・リリーがマンジャロのヒットを継続するための全方位ベッティングの一つだ」と述べ、「肥満治療薬の副作用として言及される脱毛については、脱毛治療薬を作る米国の新薬開発企業アップサイにすでに4000万ドルを投資した」と語った。
一方、イーライ・リリーは第2四半期に外部の技術・企業買収に伴う取得研究開発(IPR&D)費用として約28億ドル(1株当たり3ドル超)を計上したと集計された。遺伝子治療薬の開発企業などを買い入れ、会計上、即時費用処理した金額で、前年同期の1億5400万ドルと比べ大きく増加した。