この記事は2026年9月8日17時25分にChosunBiz MoneyMove(MM)サイトに掲載された。
高麗亜鉛の監査委員選任をめぐるチェ・ユンボム会長と永豊・MBKパートナーズの間の票争いが混迷に陥った。国内外の議決権助言会社の大半がチェ会長側である高麗亜鉛取締役会が推薦した候補への賛成を勧告し勝負が傾く気配だったが、国民年金が双方いずれにも賛成票を投じることにしたためだ。
5%台の持ち株を持つ国民年金の中立決定により、キャスティングボートは今やハンファグループとLG化学に移ったとの評価が出ている。永豊・MBKパートナーズ連合は、チェ会長側の友好的持ち株と評価されてきたハンファグループ、LG化学に支持要請の書簡を送るなど、土壇場の票固めに力を注いでいる。
8日投資銀行(IB)業界によると、国民年金の受託者責任専門委員会は前日の会合で高麗亜鉛の臨時株主総会の議案3件すべてに賛成することを議決した。「分離選出監査委員拡大のための定款変更」、「集中投票方式による独立社外取締役4人選任」、「監査委員会の委員となる独立社外取締役1人選任」などである。
特に国民年金受託者責任専門委員会は、高麗亜鉛の監査委員会の委員となる独立社外取締役1人の選任議案に関連し、高麗亜鉛取締役会が推薦したペク・インギュ候補(タングク大学教授)と永豊・MBKパートナーズ側が推薦したパク・ユギョン候補(前APGアセットマネジメント アジア太平洋責任投資総括)の双方に票を投じることにした。
監査委員会の委員となる独立社外取締役1人は、これまで9日に予定される高麗亜鉛の臨時株主総会の最大の勝負どころとみられてきた。会計・内部統制や特別関係人取引、大規模投資・資金調達を精査できるため、約2年に及ぶ経営権紛争局面では取締役会議長に劣らず重要なポストと数えられてきた。
あわせて独立社外取締役1人の選任は、改正商法の核心である監査委員分離選出拡大の一環として推進され、高麗亜鉛の支配権争いの分水嶺とも位置づけられる。大株主の議決権を3%に制限する「3%ルール」が適用されるため、国民年金や外国人などその他株主の票心が重要な変数として浮上したためだ。
3%ルールは最大株主と特別関係人の持ち株を合算して3%までのみ認める「合算3%ルール」と、それ以外の株主にそれぞれ3%を与える「個別3%ルール」に分かれる。争点は合算対象の境界である。チェ会長が高麗亜鉛の社内取締役である以上、永豊側と一括りにされ合算3%ルールが適用されるとの解釈が出ている。
この場合、チェ会長・永豊が3%を持ち株比率に応じ按分して分け合うことになり、劣勢と評価されてきたパク候補の勝算が上がる。先立ちグローバル議決権助言会社のISSとグラスルイスを含む国内外の主要議決権助言会社9社のうち8社がペク候補への賛成を勧告し、パク候補には反対を勧告した。
友好的持ち株には個別3%ルールが適用される。チェ会長側の最大の友軍であるクルーシブルJVの約10%持ち株、永豊と資本市場法上の共同保有協約のみを結んで商法上の特別関係人ではないMBKパートナーズが特別目的会社(SPC)で保有する持ち株のすべてが、それぞれ3%まで行使できるというのが業界の分析だ。
キャスティングボートとして浮上したのはハンファグループである。ハンファグループはハンファエイチツーエナジー・ハンファインパクト・株式会社ハンファの3社が高麗亜鉛の持ち株を別個に保有し、個別3%ルールの適用を受ける。ハンファエイチツーエナジー3%、ハンファインパクト1.79%、株式会社ハンファ1.14%など、合計5.9%前後の議決権を行使する見通しだ。
ハンファは経営権紛争の当事者ではないが、これまでチェ会長側の友好的持ち株に分類されてきた。ここに高麗亜鉛の持ち株約1.87%を握るLG化学も変数だ。一方、5%台の持ち株を持つ現代自動車グループ系のHMGグローバルは、永豊・MBKパートナーズとの訴訟により議決権を行使しない可能性が大きい。
永豊・MBKパートナーズは海外年金基金の支持を受けている。米国カリフォルニア公務員退職年金(CalPERS・カルパース)とノルウェー中央銀行投資管理庁(NBIM)は、永豊・MBK側の監査委員候補に賛成することにした。ここにMBKパートナーズはハンファ・LG化学に支持要請の書簡を送付した。
一方、集中投票で選ぶ独立社外取締役4議席は、双方が候補を2人ずつ出しているだけに2議席ずつ分け合う可能性が大きい。この場合、取締役会は監査委員となる独立社外取締役1人を含め19人規模となる。監査委員をチェ会長側が取れば取締役会は12対7、永豊・MBKが占めれば11対8の構図になる。