金融監督院が仮想資産の不公正取引に対応するため、人工知能(AI)を活用した市場監視体制を拡大したと20日明らかにした。
金融監督院は1月、調査官の手作業に依存していた相場操縦容疑者の気配値および相場関与の疑い区間を自動で抽出するAIアルゴリズムを開発した。続いて4月には、より効果的な容疑分析のため、相場操縦に利用された多数の連係アカウントを自動で検知する「疑義群(群)自動抽出機能」を開発した。取引所から価格情報だけでなく、気配・約定および市場警報など多様な情報をリアルタイムで入手する監視体制も構築した。
今回は仮想資産市場で発生する異常取引を検知し、これを分析して実際の調査着手の要否を判断する市場監視業務までAI活用の範囲を拡大した。とりわけ複数の取引所で数千の銘柄が24時間取引される仮想資産市場の特性を踏まえ、異常取引をリアルタイムで把握し迅速に分析できるよう、公開大規模言語モデル(LLM)の生成型AIと機械学習アルゴリズムを活用した。
相当な時間を要していた容疑銘柄の分析過程にも生成型AIを導入した。これにより異常取引の自動抽出から疑い区間の特定、検討報告書の作成まで市場監視プロセスを自動化した。まず、取引所のリアルタイムデータを用いて不公正取引が試みられる容疑銘柄を早期に発掘する機能を構築した。金融監督院はこれまでの調査経験を踏まえ、仮想資産市場の主要な相場操縦類型を定義し、各類型に該当する容疑銘柄をリアルタイムで把握する。
生成型AIモデルは抽出された銘柄に関する告知事項やニュースなどを比較し、価格と出来高が急騰落した要因も分析する。金融監督院は、典型的な相場操縦の様相を示す場合や、明確な根拠なく価格が急騰するなど深層分析が必要な場合には、取引所から売買資料を受け取り、実地調査の必要性を検討する。
仮装・通謀売買もリアルタイムで発掘する。金融監督院は、人為的な出来高の水増しなど架空の取引を摘発するため、会計分野などで活用される「ベンフォードの法則」と機械学習アルゴリズムを仮想資産の市場監視に適用した。オンライン公開情報を活用して容疑銘柄を発掘する機能も開発した。投資助言チャット(いわゆるリーディングルーム)を通じた違法な先回り売買や虚偽内容を含む動画の拡散、不公正取引を扇動する投稿など、オンライン上で行われる不公正取引行為を検知するためである。
モニタリング過程で抽出された異常取引のうち、深層分析が必要な銘柄については、AIを活用して売買分析から結果報告書の作成までの一連の過程を自動化する。
今後は資金フローとオンチェーン追跡を支援する機能も追加で開発する予定である。金融監督院はこれにより利用者を保護し、健全な仮想資産の市場秩序を確立するためのAI基盤の市場監視・調査体制を継続的に強化する方針だ。