LS証券(078020)が偽のメールを通じて株式注文を執行したところ、外国人投資家と法的攻防を繰り広げる事態になった。投資家は本人確認手続きが不十分で数十億ウォンの損失を被ったとして損害賠償を請求し、LS証券は関連手続きを遵守しており、捜査結果を通じて責任の所在が明確になる場合は義務を履行するという立場である。

LS証券の社屋。/LS証券提供。

24日ChosunBizの取材を総合すると、外国人投資家A氏は先月15日LS証券を相手取り、ソウル南部地方裁判所に70億1867万ウォン規模の損害賠償請求訴訟を提起した。A氏はLS証券が本人の意思と無関係に第三者の注文を受けて資産を売却し、売却代金を送金した後、原状回復の要求にもこれを履行せず損害が発生したと主張した。

A氏によると、第三者は2025年7月から2026年2月までA氏を装ってメールで株式売却と資金送金を指示した。LS証券は外国人投資家の常任代理人資格で注文を入れた。常任代理人は海外に居住する外国人が韓国株式を取引する際に必要な投資登録、口座開設、権利行使などの手続きを代行する制度である。

今回の訴訟を巡りA氏とLS証券は鋭い立場の相違を見せている。核心争点はメール注文の真偽確認責任と、注文および送金過程で本人確認義務を尽くしたかどうかである。

まずA氏は、今回の事態はLS証券がメールアドレスを適切に確認しなかったために発生したと主張する。A氏を装った詐欺犯は常任代理人契約に記載されたメールと類似するが別ドメインのメールアドレスを使用して注文を出した。それにもかかわらずLS証券は登録メールや電話などを通じた本人確認をしなかったということだ。

LS証券がこれに気づけなかった背景として、既存のメールのやり取りが一緒に添付されていた点が挙げられる。LS証券はA氏名義で到着したメールに「返信」する過程で、実際には類似メールアドレスへ返答が送信され、既存注文の履歴が含まれていた点やアドレスが類似していた点などを考慮して同一人と判断したと説明した。A氏側は、既存のやり取りが添付されていたとしてもメールアドレス自体が異なっていた以上、追加の確認手続きが必要だったと反論する。

双方はメールがハッキングされた点については一致するが、どちらがハッキングされたのかを巡っては立場が食い違う。LS証券は金融監督院傘下の金融セキュリティ機関の点検結果、会社のシステムやメールがハッキングされた事実は確認されなかったという立場である。これに対しA氏側は、詐欺犯がLS証券社員のメールアカウントをハッキングして既存メール内容を確保し、これを活用してA氏を装うメールを作成したと主張している。

送金過程も主要争点である。LS証券はメール注文に従い、米国とベトナム所在の口座へ計19回にわたり約333万ドル(約49億ウォン)を送金した。A氏側は、米国とベトナムでは受取人名と実際の口座名義が異なっても送金が可能な点を悪用した犯行だったと主張する。送金指示書には受取人名をA氏と記載したが、実際の口座番号は第三者が管理する口座だったということだ。

これに対しLS証券は、当時提出された送金指示書と関連書類に基づき正常取引と判断したと説明した。常任代理人契約には事前登録口座を指定する義務がなく、契約書にも顧客口座情報が別途記載されていないため、メールによる送金要請に応じたということだ。また証券会社は常任代理人契約書と送金指示書、パスポート写しなどを取引銀行に渡すだけで、実際の海外口座の確認と送金執行は銀行が行うと説明した。

問題が表面化した後、A氏は無断で売却された株式と送金された資産の原状回復を要求したが、LS証券はこれを受け入れなかった。これについてLS証券は「現物の返還を拒絶したのではなく、裁判所の判決などで客観的な責任の所在が明確に確認されれば、それに応じた責任を尽くす」と明らかにした。

LS証券は第三者の犯罪事件である以上、真相究明に最善を尽くすという立場である。LS証券は事件発生直後の2026年2月に金融監督院に金融事故を申告し、3月初めに警察へ刑事告訴状を提出した。

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