この記事は2026年7月19日16時54分にChosunBiz MoneyMove(MM)サイトに掲載された。
KOSDAQ上場社Enchem(348370)が子会社「エンケムアメリカ」とナスダック上場社ザ・グロウハブ(THE GROWHUB LIMITED)の新設子会社マージャーサブ(Merger Sub, Inc)間の逆三角合併を進める。エンケムアメリカがマージャーサブと合併し、その対価としてEnchemがザ・グロウハブの新株を取得して筆頭株主に浮上する計画だ。資金調達に苦戦してきたEnchemは今回の合併を通じて米国現地で資金調達の窓口を確保できると期待している。
ただし今回の計画が成立するにはザ・グロウハブの上場維持が前提となる。ザ・グロウハブは現在、上場廃止事由が発生し、ナスダック聴聞委員会に異議を申し立てている。額面併合や子会社合併などで一部の上場廃止事由を解消したが、合併を楽観できないとの見方が出ている。
19日、資本市場業界によると、ザ・グロウハブは先月ナスダックから上場廃止の通知を受けた。韓国の同銭株要件に該当する「株価1ドル未満が30取引日連続で発生」したためだ。先立つ5月には株主資本(自己資本)要件未達による上場適格性の警告も受けていた。
ザ・グロウハブはブロックチェーンを基盤に農産物サプライチェーンを追跡するシンガポール企業だ。昨年8月にナスダックに上場した。上場直後、株価は4.25ドルまで上昇したものの、その後は下落基調が続き1ドル未満にとどまり、「ペニーストック」に分類された。
ザ・グロウハブは国内電解液生産企業であるEnchemとの逆三角合併を進めている。今回の逆三角合併は、ザ・グロウハブが設立する子会社をエンケムアメリカを通じて合併し、その対価としてEnchemがザ・グロウハブの持分を確保する方式だ。実質的にはエンケムアメリカをナスダック市場に迂回上場させる構造である。Enchemが確保するザ・グロウハブの持分はクロージング時点の株価で決まり、契約条件により最低確保持分だけでも85%だ。
ただしザ・グロウハブが上場廃止の危機に直面している点が問題だ。ザ・グロウハブは業績と株価の両面で上場廃止の危機にある。株価1ドル未満に加え、初回上場時の株主資本(自己資本)、時価総額、法人税控除前純利益の未達などに該当する。とりわけ株主資本はナスダック上場維持の最低条件である250万ドル(約37億8000万ウォン)にも達していない。
ザ・グロウハブは今回の合併を前提に上場維持要件を充足できるとみている。投資銀行(IB)業界のある関係者は「ナスダック上場規定上、株主資本、時価総額、法税損のうち一つの要件だけ満たしても上場維持の可能性が大きい」と述べ、「ただし合併が最後まで実現し得るかについてナスダックがどう受け止めるかは不透明だ」と語った。
今回の合併は米国証券取引委員会(SEC)の審査も通過しなければならない。2024年に新設された規定「Rule 145a」によると、ペーパーカンパニーを通じた迂回上場の際はSECの承認を受ける必要がある。SECの判断が合併成否の最大のカギとなる見通しだ。
懸念される点は、エンケムアメリカの工場稼働率が高くないとされていることだ。正常に稼働する会社かどうかの判断が焦点になるとの分析である。
今回の合併はEnchemにとっても相当な重要性を持つ。Enchemは現在、過度な負債を抱えており、昨年の監査報告書で継続企業の前提に関する不確実性意見を受けた。今年、早期償還請求権の行使が可能な転換社債(CB)規模だけ見ても2381億ウォン水準に達するが、1四半期基準の保有現金は約70億ウォンと底をついている。
Enchemは今回の合併が成功すれば米国市場で新たな資金調達の窓口を確保できる見通しだ。Enchemの財務リスクが顕在化し、国内での資金調達手段が限られるなか、海外での資金調達の窓口が重要な状況である。
IB業界関係者は「どうしても米国資本市場の方がはるかに大きいため、Enchemが一気に数千億ウォン以上を調達できるのではないかという期待は確かにある」としつつ、「ただし逆に言えば、今回の合併が失敗した場合、今後の事業フロントに与える影響は極めて大きい。投資家の投資判断も慎重である必要がある」と強調した。