ウォン・ドル相場が連日上昇基調を続けているが、市場ではむしろ急激なウォン高への転換に備えるべきだとの分析が出ている。外貨資金市場にはドルがあふれているのに対し、為替市場ではドル不足が続くという不正常な乖離が持続しており、為替の上昇期待が折れる瞬間に急激な相場下落(アンダーシューティング)が生じ得るとの診断である。
ムン・ダウン韓国投資証券研究員は13日のリポートで「現在、外貨資金市場と為替市場の乖離は結局解消される可能性が高い」とし、「不動産市場でチョンセ(韓国特有の賃貸制度)価格の上昇が結局売買価格を押し上げるように、現在はウォン価値が回復する方向へ調整される可能性が大きい」と明らかにした。
ムン研究員は現在、外貨資金市場と為替市場が互いに異なる方向へ動いていると診断した。
外貨資金市場ではドル調達コストが歴史的に低い水準まで下がりドル・プレミアムがマイナスに転じた一方、為替市場ではドル不足が深刻化しウォン・ドル相場が上昇しているということだ。
ムン研究員は「外貨資金市場ではドルがそれほどまでに希少ではない一方で、為替市場ではドル品薄により相場が急騰している状況だ」と説明した。
このような現象の背景として、為替の上昇期待が実際の上昇を呼ぶ『自己実現的な流れ』を指摘した。
企業と投資家が相場上昇を見込み、ドル売りは先送りし買いは前倒しすることで、実際の相場上昇が続いているという説明である。
ムン研究員は「為替が上がるという期待がドル買いを前倒ししドル売りを遅らせることで、実際に相場を押し上げている」とし、「問題は、下落期待へ転じる場合に全てのポジションが逆方向に動き、相場が急落し得る点だ」と述べた。
ムン研究員は、最近は相場上昇期待を和らげ得る要因が次第に現れていると評価した。
代表例として、ハンファオーシャンが最近20億ドル規模の先物為替売りを通じて為替ヘッジを拡大し、SKハイニックスもADR上場を通じて調達した約40兆ウォンを国内投資に活用する予定であることから、ドル供給拡大の効果が見込めるという説明だ。
これに加え、半導体輸出の好調に伴うドル流入拡大や8月の法人税中間納付のための両替需要、世界国債指数(WGBI)組み入れに伴う海外資金流入の可能性も、相場安定要因として挙げた。
ムン研究員はただし「いつどのようなイベントを契機に為替上昇期待が折れるかは予測しにくい」としつつも、「政府の外為需給対策と主要企業のドル供給が本格化し、相場期待の転換点が形成される可能性が高い」と展望した。
続けて「外貨資金市場と為替市場の乖離縮小は漸進的に進む場合もあるが、予想しにくい契機を通じて急激に生じる可能性もある」とし、「今年下半期に相場がどこまで下落するかが、来年と再来年の適正水準を決める重要な変数になる」と述べた。