キウム証券が電算障害と金融商品不適切販売疑惑という逆風に同時に見舞われ、金融当局の全方位調査の対象に上がった。
とりわけ最近発生した電算エラーは、投資家が追い証回避のために証拠金を納入したにもかかわらず、システム欠陥で強制処分が行われた事例であり、社内の内部統制が事実上まひしたのではないかとの指摘が出ている。金融監督院が最近の金融圏におけるIT事故について無関用の原則を再確認した以上、今回の調査を通じてキウム証券の内部統制システム全般を厳格に精査すべきだとの声が高まっている。
金融監督院は2日、中央グループ社債の不適切販売の有無を確認するため、キウム証券と新韓投資証券に対する現場検査に着手した。新韓投資証券はJTBC社債の発行を主幹した一方、キウム証券はJTBCの流動化電子短期社債(ABSTB)を個人投資家に販売した。
中央グループ系会社の債券はキウム証券のほか、韓国投資証券、NH投資証券、KB証券など他の証券会社を通じても販売された。だが他の大手証券は機関に販売したのに対し、キウム証券は150億ウォン規模のJTBC流動化証券を個人に販売したと把握されている。
キウム証券が販売したJTBC流動化証券の金利は年7〜8%水準で、相当な個人資金が流入したという。ところが12日、当該ABSTBが元利金の期日償還に失敗すると、投資家はキウム証券の不適切販売を主張している。
金融監督院は、キウム証券が一般の社債や企業手形、電短債より発行構造などが複雑な短期流動債券を個人向け販売商品に分類した経緯などを点検する予定だ。キウム証券の不適切販売の兆候が把握されれば、当局の制裁はもちろん、投資家に対する損害賠償責任も免れがたい見通しである。
業界では、不適切販売疑惑よりも、より構造的な問題として繰り返される電算障害を挙げる。キウム証券は極めて多層的なトレーディングシステム構造を有しており、電算障害がしばしば発生する。投資家被害が続いているが、そのたびに事後補償で糊塗するにとどまり、システム安定化に向けた根本的な対策は後回しだとの批判が出ている。
最近は異例の事故も発生した。キウム証券で資金を借りて株式を買い付けた投資家が追い証回避のために証拠金を正常に納入したが、電算エラーで当該株式が強制処分された。キウム証券は被害顧客を対象に補償範囲などを協議しているが、具体的な被害規模は公開していない。
とりわけ今回の電算エラーは、李粲珍(イ・チャンジン)金融監督院長が継続する証券会社の電算障害について強硬な発言を示してからわずか1週間で起きた。李院長は2026年6月22日の記者懇談会で、証券会社の電算障害が繰り返される原因として、IT基本統制が機能せず、適切なインフラが構築されていない点を指摘した。
李院長は2026年4月にも「基本的な義務の不遵守または内部統制の不備に伴うIT事故が再発する場合は、無関用の原則に基づき厳正に責任を問う」と述べていた。
業界関係者は「繰り返される電算事故は結局、内部統制の問題だ」とし、「当局の点検が単純な電算事故の原因究明にとどまらず、内部統制の改善可否にまで及ぶ可能性がある」と語った。