土着コンサルティングファームのルクセントは、プライベート・エクイティ・ファンド(PEF)運用会社が人知れず頼るバリューアップの助っ人として通っている。とりわけカーブアウト案件ではグローバル系コンサルをも上回ったとの評価だ。昨年はリルソンPEによる現代ウィアの工作機械事業部の買収、グレンウッドPEによるLG化学の水処理事業部の買収など大型カーブアウト案件をいずれも水面下で支援した。カーブアウト取引とは、会社の複数事業のうち一部だけを切り出して(Carve-out)取引することを意味する。

ルクセントは昨年、買収デューデリジェンスを含め、計8件のカーブアウトプロジェクトを遂行した。前年の6件から33%増加したもので、韓国資本市場研究院の集計基準で2024年の国内全体のカーブアウト取引は17件だった。国内のカーブアウト案件のうち3件に1件以上がルック(Look)セントの「目」を通過した格好だ。

ルクセントの現場重視コンサルティングが奏功したとの評価である。ルクセントの社名には「現場でセント(Cent・1セント)単位まで精緻に見る(Look)」という意味が込められている。チョン・ジェサン副代表などカーブアウト担当人員はすべて理工系・現場出身で、ルクセントの助言には電力配分方式にまで踏み込むとされる。

チョン副代表は「カーブアウト取引は文字通り特定会社の特定事業部門だけを精巧に切り取ることだ」とし、「場合によっては同じ工場を使っていた事業部門だけを別途切り出して売却・買収しなければならず、別個の法人の経営権を売買するバイアウト取引と比べると難度自体が高い」と語った。

「またカーブアウトは株式売買契約(SPA)締結以後、資金払い込みまでどれだけうまく準備するかが成否を分ける」とするチョン副代表に最近ヨイドのオフィスで会い、カーブアウト取引の特性と市場見通しを聞いた。チョン副代表は「カーブアウトは当分の間、国内の合併・買収(M&A)市場の中心になる」とも述べた。

以下、チョン副代表との一問一答。

カーブアウト取引は実際に増えているのか。

「確かにそうだ。韓国資本市場研究院が昨年5月に出した『カーブアウトM&A取引の増加と展望』レポートだけを見ても、2020年11件、2021年10件、2022年8件、2023年10件水準だったカーブアウト取引件数が2024年は17件へと大きく増えた。われわれだけを見てもデューデリジェンスなどプロジェクト件数が増えている。」

─カーブアウト取引増加の理由をどう見るか。

「核心は産業構造の速い変化だ。カーブアウトの理由をみると大きく二つに分かれる。会社事情が傾いたために事業部を切り出す方式で中核事業の競争力を強化しようとする場合が一つで、もう一つは非中核事業部を分離して売却した後に新事業の拡大を推進するためだ。

韓国はとりわけ今、産業の構造的変化のただ中に立っている。人工知能(AI)が産業現場全般へと速く拡散し、中国の製造業の追撃が追い越しの段階に入った。『石油化学企業だけを見ても、産業不振のなかで高付加素材事業への方向転換のため流動性確保を目標に最近、事業部を市場に出した。』

─PEF運用会社にとってもはや良い案件ではないとの声も出ている。

「カーブアウトの複雑性と独立法人構築のための費用などで、一種のカーブアウト割引が付くのが通例だったが、最近はPEF運用会社がこぞってカーブアウト案件を狙い始め、割引が事実上なくなったという話があるのは事実だ。だがカーブアウト案件が持つ核心的な利点は依然として有効だとみる。」

─カーブアウト案件が持つ利点は何か。

「グループの系列会社、それも事業部として存在することに伴う限界が明確だからだ。売りに出る事業部の相当数は、いわゆるグループの非中核事業である場合が多い。そのため必要な人員を十分に拡充できず、投資が必要なタイミングでも後回しにされ、成長自体が抑え込まれてきたケースが多い。

国内のある大手PEF運用会社が買収した石油化学のカーブアウト案件が代表的だ。大企業グループの非中核事業部に分類されていたため、市場成長見通しにもかかわらずポリオール生産設備の拡張などが実現しなかった。PEF運用会社の買収以後は独立法人へ転換し、設備増強など攻勢的な投資が進んでいる。」

─バリューアップはどのような方式で進むのか。

「前述のとおり事業部として存在することによる限界を解きほぐすことに集中する。オペレーション(運営)デューデリジェンスでは事業部の構造改善策を検討し、その後の統合(PMI)バリューアップ段階では、グループ会社で一括適用されているサプライヤー基準を事業領域に合わせて調整し、高止まりした原材料負担を下げる手法を用いることもある。」

─主要なカーブアウト案件にルクセントの名前が頻出する。強みは何か。

「現場重視のコンサルティングファームという強みが、カーブアウト案件でとりわけ力を発揮するようだ。買収主体であるPEF運用会社が被買収事業部の構成員に対し、独立法人への転換時にどのような投資を行い、いかに成長させるかのビジョンを提示するなら、ルクセントはその具体策を作る方式を取る。

とりわけ事業部カーブアウトの場合、一つの会社にあった事業部だけを切り離す作業であるため、人事はもちろん財務もすべて別途に構成しなければならない。単純なところでは、独立法人への転換後に下手をするとサプライヤーへの代金未払いで資材供給や外注作業が止まることもあり、必ずケアすべきだ。」

─工場など現場出身のコンサルタントだけができる仕事ということか。

「運営の専門家集団であるおかげで、現場でどう考えどう働くかを細かく気配りできる目があると言うのがよいだろう。『コストを下げるために調達先を多角化する必要がある』と言う代わりに、接触可能な調達先はどこか、外注はどこに任せるかを具体的に提示するやり方だ。」

─カーブアウト案件のコンサルティングで重要視するポイントは何か。

「残金の払い込みと取引クロージング後に事業部が独立した会社として直ちに回り出せるように、そうした小さいが重要な事項に集中する。間接機能別の移管人員と必要領域を区分して新規採用の範囲を定め、サービス範囲・人員・期間を契約で定めて、初日の運営で支援機能の責任空白を防ぐ。

言うは易く行うは難しだ。例えば工場内の出荷設備を共有していたのに、事前に調整していなければ生産品を出荷できなくなることもある。工場稼働の電力を個別の変圧器で使えるか、変圧器の数はいくつか、管理人員の費用をどう分けるかも決めなければならない。」

─カーブアウト案件の場合、クロージングが遅延することもあるだろう。

「2018年の独リンデの韓国事業部(現エアファースト)売却が最初のカーブアウト案件の助言だった。その後現在までデューデリジェンスとPMIバリューアップを含め、30件のカーブアウト案件をコンサルティングしたが、リンデ以後も毎回、準備が足りないと感じる。取引のクロージングが1カ月以上ずれ込むケースも多かった。」

─事前準備作業について助言するなら。

「組織・人員、業務手続き、IT・データ、外部契約、支援機能、事業継続性、意思決定構造など、企業運営に必要な核心事項をすべて別々に区分すると同時に、売り手側が支援可能な部分と買収側が自ら構築できるポイントを交渉段階で、あるいはその前に定めておくのがよい。」

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