経営悪化で組合員出資金の配当が難しくなった一部のセマウル金庫が、金や商品券などを提供して資本調達に乗り出していることが分かった。配当の代わりに金品を提供する方式であるため、「迂回配当」ではないかとの指摘が出ている。
出資金はセマウル金庫の組合員になるために拠出する投資金で、金庫の資本に分類される。預金のようにいつでも解約してすぐに引き出せる資金ではなく、通常は年次決算が終わってから返還を受ける。代わりに金庫の経営実績に応じて配当を受ける。
21日金融圏によると、最近は地域のセマウル金庫を中心に出資金の獲得を目的に金や商品券、生活用品などを提供するイベントが相次いでいる。ソウル中区Aセマウル金庫は2026年6月30日までに出資金を納入した顧客に金を支給する。1000万ウォン納入時に金0.5g、2000万ウォン以上納入時に金1gを提供する方式だ。韓国金取引所が販売するゴールドバーの相場を基準にすると、それぞれ約15万5000ウォン、31万ウォン水準である。
テジョン・トングBセマウル金庫も6月30日まで出資金獲得イベントを実施する。出資金100万ウォン当たり抽選券1枚を支給し、抽選を通じて1等(1人)に純金3ドン、2等(1人)に2ドン、3等(25人)に1ドンを提供する。ゴールドバー基準で1等は約289万ウォン、2等は198万ウォン、3等は99万ウォン相当だ。このほか4〜5等(計90人)にはオンヌリ商品券5万〜10万ウォンを支給する。出資金が多いほど抽選券が増える仕組みだ。
問題は、これらの金庫の一部が「配当制限履行命令」の対象である点だ。行政安全部は年初、全国のセマウル金庫に配当制限措置を下した。これにより、経営実態評価の結果、経営改善措置の対象であるか繰越欠損金を保有する金庫は原則として配当が禁止され、経営改善措置を受けていなくても前年に純損失を計上した金庫は配当限度が制限される。
経営実態評価は資本適正性、資産健全性、収益性、流動性、経営管理の5項目を基準に総合等級を算定する。3等級は経営改善勧告、4等級は経営改善要求、5等級は経営改善命令の対象だ。A金庫は2024年と2025年のいずれも純損失を計上し、前年の評価で総合3等級を受け、B金庫は4等級で経営改善要求を受けた状態だ。
業界では、配当を減らしつつ別の方式で出資誘因を提供することが、結果的に迂回配当に該当し得るとの指摘が出ている。資本金の確保には役立つが、地域金庫の経営不振が解消されていない状況では組合員の損失リスクが高まる可能性があるということだ。出資金は預金者保護の対象ではないため、金庫が不健全化すれば元本を回収できない可能性もある。
セマウル金庫中央会もこの問題を認識している。中央会関係者は「配当が難しい状況で出資者に特典を提供することが適切かについて問題提起がある。迂回配当の余地がある行為は禁止するよう既に案内した状態だ」と明らかにした。