NH-Amundi資産運用は22日、「フィジカルAI投資戦略懇談会」を開き、人工知能(AI)が製造・物流など現実世界に実装される時代が本格化するなか、フィジカルAI企業への選別投資が重要になったと強調した。あわせてフィジカルAIの価値チェーンで注目すべき有望テーマ5つを提示した。
チェ・ドングンNH-Amundi資産運用ETF運用チーム長は「フィジカルAIは形態を選ばない」と述べ、「一般に思い浮かべるヒューマノイドと自動運転は、フィジカルAIが現実世界に実装され始めた初期段階にすぎない」と語った。
あわせて▲エネルギー▲光通信インフラ▲半導体▲AIモデル▲アプリケーションを、フィジカルAI投資の有望テーマ5つとして選定した。
チェ・チーム長は、AI演算に要する莫大な電力需要により、エネルギーインフラの確保自体がそのままAI競争力となる時代になったと分析した。
光通信インフラは、リアルタイム推論サービスの拡大でデータ帯域幅が新たなボトルネックとして浮上し、注目を集めている。チェ・チーム長は「データの道路の役割を担う光通信インフラの重要性が増した」と述べた。
半導体投資も継続すると見通した。ハイパースケーラーの設備投資(CAPEX)が今年も増加基調を続けるなか、メモリに続き中央処理装置(CPU)、アナログ半導体などへ温かい追い風が広がると展望した。
チェ・チーム長は「エヌビディアの次世代AIプラットフォームであるベラ・ルビン(Vera Rubin)プラットフォームは、効率的な電力供給のため高電圧直接接続方式を採用しているだけに、パワー半導体にも注目すべきだ」と付け加えた。
AIモデル分野では、AIが質問に答える水準を超え、自律的に判断し実行するエージェントへと進化している点に着目した。最近はオープンクロー、Anthropicなどが台頭しているが、中華圏のAI企業もこれら企業に匹敵する水準に近づいたとの評価を受けるほど躍進しており、注視する必要があると評価した。
最も注目するテーマとしてはアプリケーションを挙げた。油圧および燃料制御システム、ベアリング、精密制御システムなど高い製造技術力を基に堀(参入障壁)を築いた「煙突企業」が、フィジカルAI時代に不可欠なハードウェアの中核部品メーカーとして再生していると説明した。
今後の市場見通しについては、地政学的リスクが高まるなか、AIが技術競争を越え国家安全保障と直結する覇権競争の中核になったと分析した。
チェ・チーム長は「米中の技術覇権競争が深まるなか、両国がそれぞれ異なるAIインフラ生態系を構築し、原材料と先端技術素材を武器化している」とし、「日本・台湾など代替不可能な源泉技術を保有するAI中核素材企業が、多極化時代の実質的な受益者になる」と述べた。