韓国のオンライン動画配信サービス(OTT)企業WATCHAの買収合併(M&A)本入札が22日に締め切られる。
21日、投資銀行(IB)業界によると、ソウル回生法院(企業再生を所管する裁判所)はWATCHAに対する公開競争入札を22日に締め切る。優先交渉対象者(ウ協)の選定は今月29日が有力だと伝わった。ウ協が選ばれれば本契約を経てWATCHAの新たなオーナーが決まる。
本入札後に優先交渉対象者を選ぶまで最長1週間かかる日程は、通常のM&Aに比べて速い部類だ。ただし回生手続では迅速な売却のために日程が圧縮される場合が多く、異例という水準ではないというのが関係者の説明だ。WATCHAが完全資本잠식(資本が毀損し債務超過に相当)企業であるだけに、企業価値の毀損を最小化する狙いとみられる。
WATCHAの売却はサムジョンKPMGが主幹事を務めている。先に買収意向書(LOI)を提出する予備入札にはCJ ENMとコンテンツ推薦プラットフォームのキノライツのコンソーシアムなどが参加したと把握されている。両社以外にも追加候補があると伝えられた。
業界では、CJ ENMが買収戦に参入したことでWATCHAの回生可能性が高まったとみる。TVINGを保有するCJ ENMが既存のOTT事業でWATCHAとのシナジーを狙うとの評価だ。
当初CJ ENMは韓国のOTTであるWavveと合併を図ったが結局失敗し、WATCHAに目を向けたと伝えられた。TVINGの主要株主であるKTがWavveとの合併に同意しなかったためだ。
キノライツもコンテンツのレビュー・評価サービスを運営すると同時に映画流通事業を拡大しており、WATCHAと事業の接点を確保する余地がある。ただしキノライツは2021年から2024年まで約5億〜19億ウォンの営業損失を計上した。このため、財務的投資家(FI)とコンソーシアムを組んで参加したとされる。
WATCHAは2011年に設立され、映画のパーソナライズ推薦サービスを皮切りに2016年にストリーミングサービスを開始した。特に映画のレーティングサービスなどで人気を集め、利用者を取り込んだ。しかしOTT市場の競争は一段と激化した。この過程で業績が悪化して流動性危機に直面し、昨年から回生手続きを進めている。