OCIグループ系の化学会社UNIDが特別目的会社(SPC)を通じて保有する半導体後工程企業APACTを売却するという知らせが伝わると、APACTの株価が急落した。1株当たりの売却価格が時価より低く、市場では筆頭株主が安値で会社を売却したという論争が出たためだ。
ただし今回の売却価格は企業価値を反映して算定された価格ではないという点で、株価急落は行き過ぎだったという評価が出ている。APACTの筆頭株主がプライベート・エクイティであり、ファンド満期に伴う清算過程で事前に定められた基準に従って売却価格が決まったためである。
むしろ業界では会社の筆頭株主が変わっても半導体好況により会社利益は増加するという見通しが出ている。昨年黒字転換したAPACTは、半導体好況期に顧客企業の注文が増え、業績が改善するとの期待を示している。
APACTは既存の筆頭株主ミューチュアルグロースが保有持分55.33%を1株当たり5249ウォンでダイナミックグロースに譲渡し、筆頭株主が変更されると明らかにした。今回の取引は、ミューチュアルグロースというSPCを設立したUNIDが優先買付提案権を行使し、2月に設立された経営コンサルティング会社ダイナミックグロースを買い手に指定する方式で行われた。
問題となったのは契約に明示された1株当たりの売買価額であった。筆頭株主が持分を譲渡した1株当たり5249ウォンは、売買契約が締結された6日終値の7220ウォンより大きく低い水準である。通常、筆頭株主が持分を売却する際は経営権プレミアムまで反映され、時価より高い水準で売却価格が決まる。
ところがAPACTの筆頭株主が時価より低い価格で持分を売却するという知らせが伝わると、投げ売りが出た。7日APACTの株価は12.6%下落し、今年の最安水準に落ちた。
業界では今回の筆頭株主変更が一般的な売却と異なる構造である点を勘案すると、株価が過度に反応したという評価が出た。
売却価格は、UNIDがAPACT買収のために設立したオロラ同伴成長プロジェクトファンド第2号の設立日から3年1カ月となる11月17日を基準に、過去3カ月の加重平均株価に20%の経営権プレミアムを加算して決定された。
会社側は「ファンド定款に明示された戦略的投資家(SI)かつ流動性供給者(LP)であるUNIDの優先買付提案権行使条件に従って算定された価格だ」と説明した。業界関係者も「既存の筆頭株主だったプライベート・エクイティが優先買付権を行使して資金を回収した構造で、一般的な経営権売却とは異なる」と述べ、「売却価格がすでに定められた条件に従って決まったため、今回の売却が企業価値を低く評価したと見るのは難しい」と説明した。
新たな筆頭株主となったダイナミックグロースもSPCである可能性が高い。ただしUNID側は具体的な契約内容を公開することには慎重な姿勢を維持している.
オロラパートナーズは昨年からファンド満期によりAPACT売却手続きに入った。経営権の変動が予定されているが、APACTの本業は成長が期待される。APACTは2022年にATセミコンのジンチョン工場パッケージング事業部門を買収して以降、半導体テストに偏重していた事業構造をテスト・パッケージング統合サービス領域まで拡張し、昨年の黒字転換に成功した。
加えて、足元のメモリー供給不足が深刻な環境下で後工程企業の業績改善が期待される。未来アセット証券は「主要顧客(SKハイニックス)のプロセスがHBM(高帯域幅メモリー)中心に速やかに転換し、汎用DRAM・NANDなど後工程の外注物量が増加するだろう」とし、「APACTの恩恵が見込まれる」と分析した。
会社側は「既存の主要顧客の注文が増えるなか、NANDパッケージングを主に受注していたサムスン電子からDDR5汎用製品を追加で受注した」とし、「中小ファブレス企業の受注規模も着実に増えており、今年の売上が大きく伸びると期待している」と述べた。