2018年にブロックチェーン技術をゲームに接合したプロジェクトとして注目を集めたモスコインの所有権紛争が、訴訟から3年で事実上の幕切れとなった。韓国で仮想資産の発行を禁じた規制が原因だったとの指摘が出ている。
16日、仮想資産業界などによると、ソウル高裁民事合議14-3部(裁判長チェ・ドンス)は先月5日、モスコインを開発した仮想・拡張現実ゲーム会社リアリティリフレクションがモスコイン財団代表の姓ソンの人物を相手取り提起した50億ウォンの損害賠償訴訟で、1審と同様にソン氏勝訴の判決を言い渡した。モスコインの所有権が財団にあると判断したものだ。モスコインはアップビット・ビッサムなど韓国の仮想資産取引所に上場しているコインで、この日コインマーケットキャップ基準の時価総額は160億ウォン水準である。
リアリティリフレクションとソン氏の所有権紛争は金融当局の規制で引き起こされたとの指摘が出ている。先立って金融当局は2017年9月、韓国での仮想資産発行(ICO・Initial Coin Offering)を禁止すると明らかにした。ICOは企業公開(IPO・Initial Public Offering)と同様に仮想資産を発行して資金を調達する手法である。
リアリティリフレクションは仮想・拡張現実ゲームのモスランドを開発したが、ゲーム内の取引手段として作ったモスコインは発行できなくなった。結局、規制のないシンガポールにモスコイン財団を設立し、ICOを推進した。財団の持分は当時リアリティリフレクション代表だったソン氏が100%保有した。
リアリティリフレクションがICOを成功させると「韓国のゲーム会社で初のICO成功スタートアップ」という名声を得た。リアリティリフレクションは規制を意識し、金融監督院のICO実態点検当時、会社と財団は何ら利害関係のない独立した法人だと主張した.
しかし、リアリティリフレクション創業者の姓ノの人物と、会社・財団代表のソン氏の経営権紛争が浮上した。ソン氏はモスコインが財団で発行・保管された以上、所有権は財団にあると主張した。リアリティリフレクションは、会社と財団が別個だと言ったのは規制を回避する目的にすぎず、実際には会社が事業の主体であるため所有権は会社にあると反論した。
裁判所はソン氏の主張を認めた。裁判部は「リアリティリフレクションがゲームと仮想資産の開発業務に費用と努力を投じたとしても、法人格を異にする財団が発行したコインの所有権などを取得するものではない」と判示した。さらに「リアリティリフレクションがいかなる権利を取得したという事実を裏付ける処分文書は作成されていないものとみられる」とした。
現在モスコインは財団を中心に独自の動きを見せている。リアリティリフレクションは判決を不服として上告した。上告審は下級審と異なり、事実関係の有無ではなく法律が正しく適用されたかを判断する法律審である。