イラン情勢で韓国の株式市場が急騰急落を繰り返すなか、金融当局が「借入れ投資」への警告に乗り出した。金融監督院は9日、イ・セフン首席副院長主宰で緊急会議を開き、信用融資や限度額ローンなど、いわゆる「借入れ投資」資金の流れを綿密に点検することにしたと明らかにした。
しかし一部では金融当局が発する政策メッセージの温度差が大きいとの指摘が出た。年初から続いた株式市場の上昇局面では、当局が個別銘柄に対するレバレッジ上場投資信託(ETF)の発売を許容するなど、個人投資家の資金を積極的に株式へ誘導する政策を打ち出したためだ。
9日のKOSPI指数は前営業日比5.96%下落の5251.87で取引を終えた。先月26日に6307.27で史上最高値を更新した指数は、わずか6営業日で約17%急落した。KOSDAQ指数も同期間、1200台を目前にして7%以上下落した。
昨年から大量に株式市場へ流入した個人投資家の相当数が損失を被る見通しだ。年初、韓国の株式市場は半導体業況の改善と政府の株式市場活性化政策により異例の強さを示し、家計資金が大量に株式市場へ向かった。
今年1〜2月、個人資金と個人のETF投資が集計される金融投資の需給だけで総額24兆ウォンを超える。同期間に外国人が20兆9546億ウォン規模で純売り越しとなったのと比較すると、事実上、個人資金が韓国の株式市場の上昇を主導した格好だ。
とりわけ政府は個別銘柄レバレッジETFの発売を許容してレバレッジ投資へのアクセスを拡大し、海外株に投資していた「ソハクケミ」(海外投資に積極的な個人投資家)の韓国株式市場回帰を促すため、国内市場回帰口座(RIA)制度の導入も推進した。
しかし中東の地政学的リスクが顕在化し、市場の雰囲気は急速に反転した。国際原油価格の急騰とともに株式市場が急落し、ウォン・ドル相場も一時1500ウォンを超えるなど、市場の変動性が拡大した。
状況が急変すると、金融当局はこの日、緊急の金融市場点検会議を開き、信用融資や限度額ローンなど「借入れ投資」資金の流れに対するモニタリングを強化することにした。李在明大統領はこの日、非常経済点検会議で「必要な場合は100兆ウォン規模の市場安定プログラムを積極的に拡大する」とし、政府および中央銀行レベルでの追加措置も先制的に準備するよう指示した。
ある資産運用業界の関係者は「最近の株式市場暴落の原因となったイラン情勢は、政府が予測しにくい対外要因であるため、個人の投資損失を政府の責任に帰すのは難しい」としつつも、「ただ、上昇局面では株式投資を奨励する当局のメッセージが続き、株価が下がると投資リスクが強調されるので、個人投資家の立場では混乱が生じざるを得ない」と語った。
株式市場の上昇局面入り口だった昨年11月、権大映金融委員会副委員長は「借入れ投資もレバレッジの一種だ」と言及し、株式投資をあおる発言だとして野党議員の叱責を受けたこともある。
個人投資家の間では「株価が上がると政府の政策のおかげだと言い、下がると借入れ投資のせいにする」「個人資金を『モルパン(集中投資)』したり、借金して投資したのは本人の責任だ」など、さまざまな反応が出ている。