この記者は2026年3月5日16時30分にChosunBiz MoneyMoveサイトに掲出された記事である。
KOSDAQ上場企業KOLON・TissueGeneの転換社債(CB)に投資した機関投資家は、短期間の投資にもかかわらず大きな差益を得ると見込まれている。
最近出たCB転換の公示を一見すると市場価格より高い価格で転換権を行使し損失を被る取引に見えるが、実際には2.5〜7倍の差益を得るというのが業界の分析だ。同時に公示上の文言に見えるよりオーバーハング懸念(潜在的な売却待ち物量)も大きいとみられる。全体時価総額の10%に近い売り物が待機しているためである。
5日の投資銀行(IB)および金融監督院の電子公示システムによれば、KOLON・TissueGeneは2・3回次CBの一部に対する転換請求権が行使されたと4日に公示した。2回次CBは10億ウォン分で、転換価格は7万1285ウォンである。一方3回次CB315億ウォン分は転換価格19万2210ウォンで転換される。
KOLON・TissueGeneは2024年に変形性膝関節症治療薬TG-C(旧インボサ)の臨床試験第3相への進入を控え資金調達に乗り出した。同年6月に2回次CB245億ウォンを発行したのに続き、翌2025年には3・4回次CBでそれぞれ565億ウォン、1225億ウォンを調達した。投資家にはユジン投資証券、漢陽証券などの証券会社とGVA資産運用、韓国投資バリュー資産運用などの資産運用会社が参加した。
投資家は満期での状況より株式への転換を念頭に置いていると見られる。表面利率と満期利率はいずれも0%で利息収益を期待するのは難しい条件だった。投資家が元本以外の追加収益を得るには株式転換と株価上昇がともに必要であった。
今回転換された3回次CB315億ウォンの場合、一見すると転換価格が現在の株価より高い水準にある。KOLON・TissueGeneの現在の株価は10万ウォン台である。転換価格を単純計算すると投資金の半分しか回収できないように見える。
しかしこれは米国法人であるKOLON・TissueGeneが国内株式市場に韓国預託証書(KDR)形式で上場しているために生じる錯視である。KOLON・TissueGeneは米国本株1株当たり5株のKDRがKOSDAQ市場に上場している。米国本株1株をKOSDAQ市場に上場されたKDR5株に交換することも、逆にKDR5株を米国本株1株に交換することも可能である。
KOLON・TissueGeneのCB転換価格は米国本株基準で算定されているためCB投資家の立場では現在の株価に5倍を掛ける必要がある。3回次CBの転換価格19万2210ウォンで得られるKDRは5株に相当するため市場価値は約50万ウォンに達する。投資1年で2.5倍の差益を得たことになる。より先に投資した2回次CB投資家は2年で約7倍の差益を得ることができる。
つまり個人投資家の立場では今後出てくる待機物量も現在の公示上に示されたより5倍多い点を認識すべきである。
現在までに発行されたCBが本株基準で約119万9311株であった点を考慮するとKDR基準では599万6555株に達する。KOLON・TissueGeneの発行株式が8325万株水準であることを勘案するとCB全量が転換されれば7%近い新規株式が発行される可能性がある。
金融投資業界の関係者は「一般的なCBと異なり株価と5倍のかい離があり株式転換による影響が見た目よりはるかに大きい」と述べ、「CB構造上すべての物量が全て転換される可能性が高いことから大規模なオーバーハング懸念が浮上し得る」と説明した。
幸いにしてKOLON・TissueGeneの株価は最近急騰している。2024年に1万ウォン台にとどまっていたKOLON・TissueGeneの株価は昨年初めに2万ウォン台を超え、最近では10万ウォン台まで急騰した。変形性膝関節症の新薬TG-Cの臨床試験第3相の結果が今年下半期に発表される予定であり、それに対する期待感が織り込まれたと見られる。
TG-Cは正常軟骨細胞と遺伝子改変細胞を混合して関節内に直接注射する変形性膝関節症治療薬である。単に変形性膝関節症の症状を緩和する既存治療薬と異なり軟骨を再生する根本的な変形性膝関節症治療薬(DMOAD)候補とみなされている。DMOADが規制当局の承認を得た事例はまだない。
「インボサ事態」と呼ばれる法的リスクも解消されつつある局面である。インボサは2017年に国内で承認を受けたが、その後米国で臨床試験を行っている途中で承認を受けていない細胞が混入していたことが確認された。2019年に食品医薬品安全処はインボサに対して販売中止、製品許可取り消し処分を下した。その後KOLON・TissueGeneの株式取引が停止されることもあった。株主はKOLON・TissueGeneとKOLON Life Scienceに対して損害賠償請求訴訟を起こしたが、最近まで進行した裁判ではいずれも会社が勝訴した。