金融監督院が証券会社の海外株式マーケティングが過熱していると指摘し圧力を強めるなか、海外株に投資する個人投資家は手数料優遇を高める別の方法探しに動き出した。多数の証券会社は当局の圧力を受けて慌てて海外株式関連のイベントを前倒しで終了したが、なお一部の証券会社はイベントを実施しており、該当商品に加入するよう勧める声が出る状況だ。
24日、金融投資業界によると、オンラインコミュニティなどで海外株式投資家は「現在進行中の商品がいつ新規加入者の特典をやめるかわからないので、早期終了前に加入すべきだ」といった情報を共有している。
代表的な商品がメリッツ証券の非対面専用口座「スーパー365（Super365）」である。メリッツ証券は当該口座で取引すると、国内・海外株式の売買時にかかる手数料や為替手数料、関係機関諸費用を含むすべての取引手数料を一切受け取らないイベントを来年12月末までの期限で実施している。
メリッツのスーパー365口座は昨年11月から1年以上続いているイベントであり、数カ月単位でイベントを行う他の証券会社と大きな差がある。
メリッツ証券はスーパー365とは別に、米国株を100万ウォン以上取引するとコーヒーを提供するイベントや海外株式積立イベントを実施していた。
ところが金融監督院が証券会社の海外投資に関する広告やイベントの中止を圧力をかけながら求め、雰囲気が変わった。金融監督院は最近、ブローカレッジ（株式委託売買）事業の比重が大きい主要証券会社の担当者を直接呼び、海外投資に関連したイベントと広告を中止させた。来年1月からは関連イベントを原則禁止し、証券会社が来年の事業計画に関連の成果報酬体系（KPI）を過度に反映しないよう指針も示した。
証券会社は直ちに当局の顔色をうかがう姿勢に入った。まず進行中だった海外株式関連イベントを前倒しで終了し始めた。
キウム証券は「33ドルを受け取って米国株を始める」、「非対面口座開設時に3カ月間手数料無料適用」などを終了した。メリッツ証券は米国株のデイタイム取引イベントを前倒しで終了し、NH投資証券も米国株デイタイム取引、海外株式イベントなどを終了した。未来アセット証券、サムスン証券なども海外株式関連のプロモーションを中断した。
メリッツ証券も米国株の取引額に応じてコーヒーを提供したり海外株式積立などのイベントを前倒しで終了した。ただし海外株式の手数料無料政策は来年末まで維持することにした。
状況がこうなると個人投資家が「すき間市場」探しに動いた。オンライン上ではメリッツ証券スーパー365への関心が大きく高まった。
ただし金融監督院の圧力の強度が高まるにつれ、メリッツ証券のイベントも前倒し終了する可能性が高い状況だ。メリッツ証券側は関連政策を継続するかどうかについて社内協議中と伝えられている。
これに関連してメリッツ証券は、スーパー365の海外株式手数料無料イベントを今年まで実施することにしたと明らかにした。今年中に口座を開設した顧客は来年末まで海外株式手数料無料の対象となる。しかし来年に口座を開設する顧客からはこの特典を受けられなくなる。
個人投資家の不満は高まっている。多数の海外株式投資家は「いかに高い為替水準とはいえ、その責任を海外株投資家に転嫁し、投資家が享受すべきイベントを阻むのは常識的ではない」と指摘している。