年末の配当シーズンが戻ってきたが、投資の勘定は例年以上に複雑になった。過去のようにすべての企業が12月末に配当する慣行が消え、企業ごとに配当落ち日がばらばらに分散したためである。ここに来年の支給分から適用される「配当所得の分離課税」まで重なり、単純な配当利回りだけでなく税金まで勘案する「税引き後利回り」中心の戦略が求められている。
政府の配当制度改善により、「先に配当額を確定し、その後に投資する」方式を導入する企業が増えている。投資家が配当金を事前に確認したうえで投資の可否を決められる点は積極的だが、その分、企業ごとに配当落ち日が異なる点には留意すべきだ。特に高配当株の場合、配当落ち日に株価が急落するケースが多く、配当収益と売買差損をあわせて考慮した売買タイミングの設定が重要となる見通しだ。
従来通り今月31日を配当基準日として維持する上場企業の配当を受けるには、2営業日前である今月26日までに株式を買い付ける必要がある。29日は配当を受ける権利が消える「配当落ち日」であり、この日に株式を買い付けた投資家は期末配当を受けられない。
今年の年末配当投資の最大の特徴は「配当所得の分離課税」の導入である。金融所得総合課税の対象者には税負担を減らす機会であり、一般投資家には実質的な「税引き後利回り」を高める核心変数となる見通しだ。
適用対象企業は2つの類型に分かれる。第一は2024年事業年度比で配当金が減少せず、配当性向が40%以上の「配当優秀型」企業である。第二は配当性向が25%以上で、前年比で配当金が10%以上増加した「配当努力型」企業である。
IBK投資証券は12月31日が配当基準日の企業のうち、来年の分離課税の恩恵が有力な銘柄として10社を示した。配当性向が高い配当優秀型はサムスン生命、高麗亜鉛、韓国電力技術、S-1、第一企画、Hanil Cement、ハイト眞露、暁星TNC、配当増額に力を入れる配当努力型はキウム証券、サムスン証券などである.
上場企業が分離課税の対象に含まれるため、より積極的な株主還元策を打ち出す可能性が大きい点も投資ポイントだ。投資家は公示などを通じて企業の配当性向や直近の配当増加率を点検できる。ただし最終的な分離課税の適用可否は、株主総会後に配当性向などが確定してから見極められる見通しだ。