人工知能（AI）を活用する金融会社は、リスク管理・倫理原則の策定に向けた最高意思決定機構を設置し、役職員の責任所在を明確にしなければならない。AIリスク評価体制を構築し、独立したリスク管理組織も編成すべきだ。
金融委員会はソウルYWCA会館でクォン・デヨン副委員長主宰の下、金融圏AI協議会を開き、この内容の「金融分野統合AIガイドライン」を来年1〜3月に施行すると22日に明らかにした。金融委は2021年に発表した金融分野AI運用ガイドラインと、その後2023年に公開した金融AIセキュリティガイドラインなどを統合した新たなガイドラインをこの日公開した。
金融委は統合ガイドラインの7大原則として、▲ガバナンス ▲合法性 ▲補助手段性 ▲信頼性 ▲金融安定性 ▲信義誠実 ▲安全性などを示した。詳細な履行事項を見ると、AIを活用する金融会社はリスク管理および倫理原則策定のための最高意思決定機構を設置し、独立的なリスク管理専担組織を構成しなければならない。AI活用に対する役職員の責任所在を明確化し、役職員の介入が必要な状況を区分して規定すべきだ。AIモデルの性能を定期的に管理し、公平性・バイアスなども点検しなければならない。
金融会社はAIに対する金融安定リスク評価を実施し、非常停止装置とバックアップモデルなど安全装置を整備すべきだ。AI基本法と金融消費者保護法、信用情報法、個人情報保護法など適用法規を事前に把握し、業務手続きに反映しなければならない。金融消費者の利益侵害など利益相反を防止するなど消費者保護対策を用意すべきだ。セキュリティ脅威の識別・管理、特化攻撃の検知・対応、AI資産の保護・管理などのセキュリティ装置も構築しなければならない。
金融委は今回の統合ガイドラインを業種別の自主規制形式で適用しつつ、業界の意見を収れんして改善・補完していく予定だ。
この日の協議会では、金融データの結合・活用支援の詳細方針も公開された。金融当局は、画像や映像、音声などの非構造化データおよび合成データなど、より多様なデータの活用基準を提示するため、仮名化・匿名化処理時の留意事項やチェックリストなどを具体的に示す計画だ。
また、データ結合手続きの効率化に向け、周期的・反復的な情報結合の場合はデータ結合ファストトラックなどを通じてデータ結合時間の短縮を支援する予定だ。データ専門機関が結合情報を安全に管理できる環境を備えた場合、結合情報を廃棄せず再利用できるよう許容し、結合データの継続的活用とデータの量的成長も図る計画だ。こうした内容のデータ結合・活用支援策も来年1月中に施行する予定だ。