金融監督院は金融消費者保護の実態評価の結果、29社のうち「良好」等級は2社、「普通」等級は19社、「未達」等級は8社だったと18日に明らかにした。「優秀」と「脆弱」等級を受けた会社はなかった。
評価項目は計量部門と非計量部門で構成した。計量部門は民願(苦情)処理の取り組みや訴訟事項、一般・電子金融事故などを中心に評価し、全体の30%を占める。非計量部門は内部統制体制の構築と運営、商品開発・販売・事後管理手続き、成果報酬制度と役職員教育、消費者情報の提供と脆弱層保護など6項目で構成し、評価比重は70%だ。特に今年は消費者保護室長(CCO)の権限と人員規模、消費者保護内部統制委員会の実質的な運営の有無、消費者保護関連KPI設計などガバナンスを重点点検した。
「良好」等級を受けたラィナ生命とヒョンデカードは計量評価の成績が比較的優れており、ガバナンスと商品販売関連の評価でも概ね良い評価を受けた。ラィナ生命は消費者保護の経歴が10年以上のCCOを置き、任期を3年保障するなど専門性と独立性が確保されており、不完全販売早期警報制度を実効的に運用している点が肯定的に評価された。ヒョンデカードは全社レベルの消費者保護経営戦略を策定し、募集人の完全販売モニタリングシステムを通じて異常兆候発生時に教育と現場点検など事後措置を適切に実施した点が高い評価を受けた。
一方、「未達」等級を受けた8社のうちハナキャピタルとToss銀行は初の評価対象会社で、民願増加など計量部門と、消費者保護内部統制体制および成果報酬制度の運用など非計量部門全般で未達とされた。ハナキャピタルは2022〜2023年の攻勢的なファクタリング営業の過程で民願が急増し大規模な金融事故が発生したほか、CCOが個人情報保護責任者を兼職するなど消費者保護の能力集中が不足しているとの指摘を受けた。Toss銀行はチェックカードの海外売上取消しの遅延処理に関連する不満の民願が大きく増加し、消費者保護人員の運用と事前協議制度の実効性、役職員の成果評価設計などが全般的に未達との評価を受けた。
このほかロッテカード、新韓銀行、大信證券、サムスン証券、ユアンタ証券、NH投資証券の6社は評価結果自体は「普通」水準だったものの、個人情報流出や株価連動証券(ELS)関連の大規模な消費者被害の発生など社会的物議を醸した事由があり、総合等級が引き下げられて最終的に「未達」等級を受けた。金融消費者保護監督規定施行細則によれば、消費者保護関連の機関制裁や不完全販売などで社会的物議を引き起こした場合、実態評価の総合等級を引き下げることができる。
部門別に見ると、計量部門では「良好」以上の等級を受けた会社が21社で全体の72.4%を占めた。民願・訴訟関連項目では大半の金融会社が「普通」以上を受けたが、横領・背任・詐欺貸出および電子金融事故が多数発生した会社は、一般・電子金融事故の項目で低い評価となった。
非計量部門では基本的な内部統制体制を備えた会社が多かったが、実質的な内部統制の作動と成果評価・教育の部門では未達の事例が多数確認された。特に消費者保護の専任人員規模が不足し、内部統制委員会が形式的に運営されたり、消費者保護の観点のKPIが適切に設計されていない点が問題として指摘された。
金融監督院は今回の実態評価結果を金融会社と金融協会に通知し、各金融会社が自社のホームページに評価結果を公示する予定だ。評価項目のうち「未達」等級を受けた金融会社については改善計画の提出を受け、履行の有無を点検し、総合等級が「未達」の会社については経営陣の面談を実施する計画だ。また来年1〜3月期には実態評価の優良・未達事例を共有する説明会を開催する予定だ。