法人保険代理店（GA・General Agency）に所属する保険設計士にも、月払保険料の1200%以内でしか初年度手数料を支払えない「1200%ルール」が施行されれば、小規模GAから設計士が大量流出するとの見方が出ている。業界では、設計士をつなぎ留めるための便法が乱用されるとの観測もある。
13日に保険業界によると、GAが所属設計士に初年度に支払う手数料の上限を月払保険料の1200%に制限する制度が来年7月から施行される。2029年に手数料分割支給制度まで施行されると、設計士は残りの手数料を3〜7年にわたり分割で受け取ることになる。
通常、保険設計士は月払保険料の2000%を総手数料として受け取る。月保険料10万ウォンの商品を販売すると、初年度手数料は120万ウォンを超えられず、残りの手数料は最長7年に分けて受け取るという意味だ。従来はGA所属の設計士は1〜2年のうちに手数料2000%をまとめて受け取っていた。
現在は保険会社がGAに支払う手数料にのみ1200%ルールが適用される。GAが自社資金で用意した別枠の手数料を上乗せして設計士に支払っても問題はない。設計士500人以上の大手GAは資本力を背景に高額の定着支援金を「スカウト費用」として支払い、規模を拡大してきた。
設計士500人以上の大手GAは、1200%ルールが初めて施行された2019年の57社から昨年は73社に増えた。同期間に3000人以上のGAは14社から21社に、5000人以上のGAは8社から13社に増加した。これに対抗して小規模GAは大手GAより多い手数料を支払うとして設計士を誘致してきた。
1200%ルールが施行されると、大手GAは高額の定着支援金で設計士を獲得しにくくなる。ただし小規模GAもより多くの手数料を支払うことが難しくなる。手数料が同水準になれば、教育・支援体制が整った大手GAを選ぶ可能性が高いとの見通しが出る理由だ。
GA業界では、1200%ルールが施行されても小規模GAは設計士の流出を防ぐために各種の便法を用いるとの観測が出ている。小規模GAは内部統制が不十分なうえ、規定に違反しても外部から把握しにくいためだ。
GA業界関係者は「1200%ルールを回避する方法は多いが、規模が小さいところを一つ一つ摘発するのは容易ではない」と述べ、「当初1200%ルールが導入された時もさまざまな抜け道が多かった」と語った。
1200%ルールに違反すると金融当局の集中検査対象となる。集中検査で問題が摘発されれば、最小は機関注意から最大は営業停止まで行政処分を受ける可能性がある。