2024年の韓国の建設・不動産企業向け貸出残高が361兆ウォンを超え、過去最大を記録したことが分かった。10年前と比べて2倍以上の規模である。低金利基調と不動産資産価値の上昇、企業の投資拡大が重なった結果と分析される。ただし急速な拡大が構造的負担につながり、「選別的拡大」と「リスク管理の並行」基調へ移行する様相だ。
グローバル総合不動産サービス企業のCBREコリアは11日に発表した「2025 韓国 贷主アンケート」報告書で「2024年基準の韓国の商業用不動産貸出金は361兆ウォンで過去最大規模を記録した」と明らかにした。今回の調査は韓国の銀行、保険会社、証券会社、資産運用会社、貯蓄銀行など44の金融機関を対象に実施した。
CBREコリアは「長期間の低金利政策、商業用不動産市場の拡大、企業の市場参加拡大、資産価格の上昇が総合的に作用した」とし、「しかし流動性リスクや資産偏重などの構造的負担が累積しており、今後は市場全般で精緻なリスク管理が必要だ」と分析した。
今回のアンケートに参加した回答者のうち62%が「来年は貸出を今年より拡大する計画だ」と答えた。CBREコリアはこれを「優良資産中心の選別的なプロジェクトファイナンス(PF)拡大戦略」と解釈した。とりわけ政策金利引き下げへの期待が反映され、高リスク資産へのエクスポージャーを減らし、安定的なキャッシュフローを備えた中核資産に資金が集まる様相だ。
贷主の金利見通しはやや慎重だった。回答者の84%は「来年上半期の政策金利が2.00〜2.25%水準まで低下する」と見通した。韓国銀行が年末まで金利を据え置いたが、来年中に実質的な引き下げ効果が反映され、市場流動性は漸進的に回復するとみている。
貸出が集中するアセットクラスも鮮明だ。贷主は「安定化したオフィス」(75%)と「常温型物流センター」(59%)を最も好むと答えた。両資産はいずれも低い空室率と賃借需要の安定性に基づく「コア(Core)」資産と評価される。一方でデータセンターとコリビング(co-living)は戦略的資産として台頭し、未来型セクターに分類された。
審査基準は2024年より一段と強化された。新規貸出の担保認定比率(LTV)は主に51〜70%区間に集中し、71%以上と答えた機関は少数だった。ノンバンクもLTV70%以上の貸出はほとんど考慮しないことが分かった。債務返済能力比率(DSCR)は1.3〜1.4倍水準が最も高い比重を記録し、過去(1.1〜1.2倍)に比べてキャッシュフローの安全マージンを強化した。
プロジェクトファイナンス(PF)市場のリスクも累積している。ブリッジローンと土地担保貸出の延滞率はそれぞれ17%、30%を超え、不良が深刻化した。本PFの延滞率も2023年の0.96%から2024年は2.6%へ急騰した。金融機関は物流・オフィス開発PFについて自己資本最低30%以上の投入を求めるなど、保守的な審査を強化している。
チェ・スヘCBREコリアリサーチ統括常務は「来年は商業用不動産貸出市場が戦略転換の入り口に入る時点だ」と述べ、「優良資産中心の拡大が流動性回復を牽引するとみられる」と語った。続けて「データセンターなど未来型セクターへ資金が移動する流れが本格化し、市場はリスク統制・収益性・キャッシュフロー安定性の三本柱を中心に再編される」と展望した。