韓国最大の不動産資産運用会社であるイージス資産運用の買収における優先交渉対象者に選ばれたプライベートエクイティ（PEF）運用会社のヒルハウスインベストメントが「取引の全過程で透明性とコンプライアンスを最優先の価値とする」との立場を10日に明らかにした。前日には買収候補から脱落した興国生命が、売却手続きの違法性と不公正を公に提起し、法的対応を予告していた。
ヒルハウスインベは同日、声明を通じて「すべての手続きで売却主幹事の基準と規定を厳格に順守した」とし「今後は規制当局との協力を通じ、透明かつ責任ある方式で取引を進める方針だ」と説明した。ただし興国生命が指摘した「プログレッシブ・ディール」や入札価格の流出など具体的事案に対する直接の反論はなかった。
ヒルハウスインベストメントは「イージス資産運用の卓越した実績と業界リーダーシップを高く評価する」とし「EGISの専門性と市場洞察にグローバルネットワーク・ノウハウを加え、より大きなビジネス機会を創出する」と強調した。
続けて「今回の買収はヒルハウス系のサムティAMCが主導する予定であり、サムティAMCは日本で住宅とホテルの開発および資産運用プラットフォームとして成長し、アジア全域で不動産プラットフォームを構築してきた」とし「サムティAMCはイージス運用の既存組織と専門性を尊重し、グローバルネットワークと資源を提供する方式で支援する予定だ」と説明した。
先に興国生命は前日、「株主代表と売却主幹事の欺瞞・違法を看過しない」として法的対応を示唆した。興国生命によれば、売却側は本入札前に「プログレッシブ・ディールは行わない」と明らかにしたものの、本入札後に優先交渉対象者の発表を遅らせ、ヒルハウスにのみ追加の価格競争を提案して本入札の最高額を上回る金額を求めたと批判した。
プログレッシブ・ディールは本入札を通過した複数の候補に再度価格競争をさせ、売却価格を引き上げる方式である。興国生命は「売却主幹事がヒルハウスに当社の入札価格（1兆500億ウォン）を流出させた可能性も排除できない」とし「今回の決定は、韓国の不動産投資プラットフォームを狙う中国系PEFと巨額の成功報酬に目がくらんだ海外主幹事が共謀した結果だ」と批判した。