今週(8〜12日)に投資家が最も注目する日程は、言うまでもなく米連邦準備制度理事会が決定する政策金利である。市場の見通しどおりに政策金利が追加で引き下げられれば、流動性拡大への期待から、足元で強含んでいる株式相場の上昇基調が続く見通しだ。逆に期待に反して利下げが実施されなければ、市場に少なからぬ衝撃が及ぶ可能性がある。
米連邦準備制度が来年の金融政策の方向性に関してどのようなメッセージを出すかにも関心が集まる。人工知能(AI)バブル論が一時的に小康状態を見せる中、オラクル、ブロードコムなどグローバルIT企業が決算を発表する。また今週、国会本会議が開かれ、韓国政府の株価てこ入れ策が改めて注目される可能性がある。与党は自己株式の償却を義務化する第3次商法改正案を年内に処理する方針を明らかにした。
先週(1〜5日)の韓国株式市場ではリスク資産選好の心理が再開する様相を示した。1日に3967ポイントで取引を始めたKOSPIは、5日に4100ポイントを再び上回った。外国人が韓国株の買い越しを再開する中、機関も指数上昇に力を添えた。
KOSDAQも上昇した。政府がKOSDAQ市場活性化策を発表するとの見方が強まり、投資資金が流入した。今週も年間最大の消費シーズンを迎え、「サンタラリー」への期待が続くとみられる。
まず確認すべきは米国の利下げが実施されるかどうかだ。韓国時間で11日未明にFOMCの金利決定が発表される。米シカゴ・マーカンタイル取引所の調査機関フェドウォッチによれば、12月の利下げ確率は90%である。
ナ・ジョンファンNH投資証券研究員は「いまの株式市場の水準は来年4月と7月の追加利下げの可能性も一部織り込んだ水準だ」と述べ、「仮に連邦準備制度がデータ不足を理由に政策金利を据え置けば短期的に株価調整は避けられないが、足元の物価と雇用指標の鈍化基調を踏まえると、利下げ時期が後ろ倒しになった程度と解釈できる。過度に否定的に解釈する余地は限定的だ」と語った。
米企業の決算発表にも注目すべきだ。とりわけIT企業の成績に視線が集まる。AIバブル論が再燃するのか、それとも水面下に沈静化するのかを、これらの決算を通じて確認できるためだ。11日にオラクルとアドビ、12日にはブロードコムが決算を発表する。
チョン・ヘチャン大信証券研究員は「オラクルとブロードコムは、足元のAI企業の過剰投資リスクと、エヌビディアのGPU(グラフィックス処理装置)の対抗馬として浮上したグーグルのTPU(テンソル処理装置)へのパラダイム転換の中心にある企業だ」と述べ、「決算に加え、両社の事業見通しやガイダンスにも注目すべきだ」と語った。
今週は半導体業種とともに、ロボット、自動車、機械業種に注目すべきとの助言も出ている。最近、ドナルド・トランプ米政権がロボット産業を育成する意向を示し、ロボットと自動車業種が強含んだ。
ファン・ジュンホSangsangin Investment & Securities研究員は「トランプ政権の投資期待でロボットだけでなく自動車・機械業種も併せて注目されれば、株式相場の追加上昇の原動力として作用し得る」と述べ、「メモリー半導体の供給不足の局面では、半導体業種を中心に指数の上昇基調が続く可能性がある」と語った。