韓国を訪れる外国人は増えているが、韓国の通信会社に加入していない外国人が「배달의 민족」で料理を注文したり「쿠팡」で当日配送で商品を頼むのは容易ではない。アプリで決済するには本人認証が必要で、認証過程で通常は国内通信会社の携帯電話番号や住民登録番号を求めるためだ。
チョ・ヨンウ(39)代表が創業したトモロウは、外国人が直面する不便を解消できるモバイル決済向け顧客確認ソリューションを開発した。
チョ代表は26日「コリア・フィンテック・ウィーク2025」でChosunBizと会い、「韓国を訪れる外国人が増えるにつれて、こうした需要を取り込もうとする企業も増えている」と述べ、「当社の技術を採用するコマース企業が増加している」と語った。
外国人電子身元確認(eKYC)専門企業のトモロウは2024年12月に創業し、国内プラットフォームで外国人が決済する際に直面する本人認証のハードルを下げることに注力してきた。
チョ代表は「韓国を訪れる外国人観光客が増える中、国内決済プラットフォームの非対面認証の障壁を緩和する必要性が高まった」とし、「トモロウは技術を通じて外国人がより容易に韓国のデジタルサービスにアクセスできるよう支援している」と述べた。
チョ代表はトモロウ創業前にイェイル会計法人で勤務し、周囲の外国人の友人がこうした困難を経験するのを見て関連事業を構想するに至った。チョ代表は米国ベントリー大学で会計学を専攻した後、KAIST技術経営専門大学に通い、2023年に工学修士学位を取得した。
今後は海外市場にも進出する計画だ。チョ代表は「海外市場に進出し、来年は成長が本格化する見通しだ」と述べた。
現在トモロウは累計1億ウォンの投資資金を誘致したのに続き、8日に政府の技術創業支援プログラム「TIPS」に選定され、今後2年間で約5億ウォンの追加資金を確保した。
チョ代表は「これまでに確保した資金で人件費やサーバー費用、そして顧客確認制度(KYC)認証に必要な原価を十分に賄える」とし、「後続投資も継続しているだけに、来年の急速な成長を期待している」と述べた。
トモロウは2025年3四半期基準で7000万ウォンの売上を記録しており、来年の売上目標は3億ウォンに設定した。チョ代表は「直近6カ月の間に10社との協業で事業リファレンスを積み上げた」とし、「新興企業ではあるが、顧客企業も技術力と実行力に注目している」と強調した。
技術力への自信ものぞかせた。トモロウはKYCの設計段階から、セキュリティと確定性が高い関数型言語のハスケル(Haskell)を基盤に開発し、技術の安定性を高めた。
イ・チャンウ(36)トモロウ最高技術責任者(CTO)は「ハスケルは高いソフトウェア安定性を備えた言語であり、顧客の機微な身元情報を扱う以上、システム障害やセキュリティイシューを起こしてはならないとの考えから、設計から技術実装まで細心の注意を払った」と説明した。
現在トモロウはチョ・ヨンウ代表を含め計3人で運営している。チョ代表を除く2人はいずれもコンピューター工学を専攻した技術人材だ。彼らは技術企画から実装まで全工程を自ら担った。
会社は最近、データの二重化作業を通じてセキュリティ強化にも力を入れている。イCTOは「データを二重化すると設計難度が上がりコストも増えるが、安定したサービスのために不可欠な作業だ」と述べた。
あわせてチョ代表は「契約上、会社名は明かせないが、今年日本最大のKYC企業と契約を結び、商用化を目前にしている」とし、「日本、米国に加え、外国人観光客が多い東南アジア諸国を中心に海外進出も拡大する計画だ」と付け加えた。