この記事は2025年11月26日13時05分にChosunBiz MoneyMoveサイトに掲載された。
宇宙発射体企業イノスペースが初の商業発射日程を延期し、有償増資に参加した投資家の不満が噴出している。イノスペースは有償増資の過程で「11月22日午後3時」に発射時間を確定して発表した。その期待感から既存株主はもちろん一般投資家も増資の引受に殺到したが、会社は21日に突如延期を発表した。
これにより株価は直ちに下落へ転じた。26日現在の株価は有償増資の発行価格よりも低い1万ウォン台にまで落ちた。市場では「発射延期への失望感で有償増資参加者の権利売りの売り物が一度にあふれた影響だ」という分析が出ている。
26日、韓国取引所などによるとイノスペースの株価は同日午後1時3分現在、前営業日比20.56%安の9930ウォンを記録した。有償増資の発行価格1万1270ウォンより約12%低い水準で、取引開始直後には株価が9670ウォンまで下落する場面もあった。
会社側は増資決定時に0.5株配当の無償増資を発表したため12月11日に無償株式が入庫すれば申し込んだ投資家も利益となるだろうとしたが、無償入庫時にも大量の新株上場によるオーバーハング問題が発生する可能性が高い。実権株投資家の場合、申込に伴うパーキング口座の利子機会費用を勘案すると1万400ウォンを超えなければ収益圏に入らないという分析が出ている。
イノスペースの有償増資参加投資家は「会社は初の商業用発射体『ハンビッ-ナノ(HANBIT-Nano)』の発射期待感を前面に出して有償増資の申し込みを盛り上げた後、発射日程を突然12月に先送りした」として「株主の信頼を毀損する行為だ」と強く反発している。
イノスペースは先に有償増資で485億ウォンを調達した。昨年8月の最初の有償増資発表時には株価が下落した。調達不安も生じたが、最終的には盛況となった。会社が11月22日午後3時に初の商業発射日程を確定すると株価が発行価格を上回って上昇したためだ。
実際に発行予定の株数430万株のうち旧株主の申込で既に416万7364株が割り当てられた。その後一般公募の実権株13万2636株の募集に対して総計1億4891万8534株の申し込みが殺到した。実権株申込当時の株価が1万7800ウォン前後で発行価格を58%超上回っていたことが追い風となったためだ。
申込を終えた投資家の期待はしかし失望に変わった。イノスペースが有償増資の実権株申込終了から1週間後の21日に小型発射体ハンビッ-ナノの初の商業発射日程をブラジル現地基準で11月22日から12月17日に延期すると公示したためだ。
イノスペースの有償増資参加投資家は新株上場予定日(28日)より前に損失圏に入った。20日に1万5000ウォン前後だった株価が下落に転じ1万ウォンを下回ったためだ。有償増資参加投資家がこの日大規模に権利売りに出たとみられる。
イノスペースの銘柄掲示板である株主は「会社の初の商業発射計画はもはや信じられない」として「当初は2025年3月中の発射計画を示し、その後7月中と言い、さらに有償増資の過程で時間まで確定したが、結局延期した」と指摘した。
イノスペースは「宇宙発射体1号上場企業」と呼ばれている。地球観測用小型衛星を搭載して宇宙へ送る発射サービスを主力事業として打ち出し、昨年7月にKOSDAQ市場に上場したが、現在まで商業発射に成功していない。上場時の公募価格は4万3300ウォンだった。
一方イノスペースは有償増資の盛況を狙って発射計画を明らかにしたわけではないとの立場を示した。イノスペースの関係者は「進行過程そのままの情報を伝えた」として「ブラジル空軍の地上システムとの連動試験中に微小な異常信号が確認され、発射予定日を調整した」と述べた。