ゴールドマン・サックス資産運用は「来年のプライベート市場についてはオルタナティブ投資への関心が必要な時点だ」とし、「その中でも人工知能(AI)とエネルギー転換が主導するインフラ分野への投資に注目する必要がある」と18日に明らかにした。
ゴールドマン・サックス資産運用は2026年の投資見通しを発表し「運用会社(GP)が高成長産業を発掘し、主要投資地域を改めて調整する必要性がある」と強調した。特にデータサイエンスとAI、自動化分野が急速な発展により投資収益性が高まるとみている。
セカンダリーとコンティニュエーション・ファンドも活性化すると分析した。ヘラルド・ホフ・ゴールドマン・サックス資産運用ヴィンテージ・プラットフォーム部門グローバル代表は「回収期間が短いセカンダリー投資に対する出資者(LP)の関心が持続する」とし、「セカンダリーとコンティニュエーション・ファンドが流動性供給の核になる」と述べた。
ベンチャーキャピタル(VC)とグロース・エクイティのエコシステムも持ち直すとの観測が出た。ドライパウダー(ファンド内の未消化資金)が多い投資家は高いバリュエーションを甘受して投資に踏み切るとの分析だ。ゴールドマン・サックス資産運用は「成長型企業に投資しようとする資本需要が拡大している様子だ」と説明した。
ゴールドマン・サックス資産運用は、M&A(インフラ・合併)市場の活性化でプライベート・クレジットとメザニン投資の需要が同時に拡大するとみている。ジェームズ・レイノルズ・ゴールドマン・サックス資産運用プライベート・クレジット部門共同統括は「M&A取引の拡大で資産担保ローンなどへの関心が増加するにつれ、プライベート・クレジットが今後重要な資金調達源として定着する」と述べた。
不動産市場は利下げ期待が高まるなか反発の可能性が見えると予測した。今年は流動性供給の拡大と分配金確保に伴う需要が相まって取引が回復し、来年はさらに活発になるとの見方だ。不動産ファンドのドライパウダーは2020年以降で最低水準で、不動産投資家に新たな機会が開ける可能性があると助言した。
ジム・ガモン・ゴールドマン・サックス資産運用不動産部門グローバル代表は「バリュエーションと取引規模が安定基調を示しており、来年には投資マインドも改善すると期待する」とし、「資金調達コストが低下した環境で不動産は魅力的に映るが、どの対象に投資するかを選定することが重要だ」と語った。
インフラ部門はデジタル転換が核心課題だが、廃棄物・水資源・リサイクルなどの分野に投資機会があると分析した。タヴィス・カネル・ゴールドマン・サックス代替投資インフラ部門グローバル代表は「来年はAI、デジタル化、発電・送電、変化するグローバル貿易環境と老朽インフラのアップグレード分野で投資機会が増える」と述べた。